[219] 希望退職者355人が応募 アルペン


アルペンは26日、2月4~20日に募集した希望退職に355人の応募があったと発表した。」H31.2.27水 日経39面 中部経済

この記事は募集の結果を伝えるものですが、実は1月に希望退職者募集の「予定」をつたえる記事が日経新聞に掲載されていました。

係り結びの法則に当てはめると、

1月の記事が「係り」で、この度の記事が「結び」というところでしょうか。

では1月の記事に掲載された「係り」を確認してみましょう。

アルペンは9日、希望退職者を300人程度募集すると発表した。」H31.1.10木 日経33面 中部経済


「係り」と「結び」を関連付けて記事を読むと、予想以上の希望退職者があったということがわかります。

300人に対して355人は「約20%増し」ですので「300人程度」を超えた応募とみるべきでしょう。

同社とプライベートブランド(PB)を製造する子会社ジャパーナ(名古屋市)の45歳以上64歳の正社員と契約社員を対象にする。」H31.1.10木 日経33面 中部経済

アルペンの子会社は海外の会社をあわせると6社あります。その中の1社だけがこの度の希望退職者の応募の対象になっているということです。

残念ながらアルペンの子会社の従業員数を見つけることができませんでしたので、連結での従業員数約4,000人に対して、アルペン単独の従業員数約3,100人の差900人が、関連子会社の総従業員数だとして、関連子会社は6社あるわけですから、900÷6=150人が子会社1社あたりの従業員数だと(少し乱暴に)数えてみますと、希望退職者募集対象はアルペン単独(3,100人)+ジャパーナ(150人)=3,250人と想定できそうです。

希望退職者355人は、募集対象者の約11%にあたります。

当初の300人の計画は、募集対象者の約9%です。

まあまあ手を挙げる人が多かったということになります。

特別加算金の割合などは応募人数などにより変動するため非開示。」H31.1.10木 日経33面 中部経済

このように1月の計画時にはアルペンは述べていました。

では2月の結果報告の記事はどうでしょうか。

退職金や特別加算金の支給などで関連費用約21億円を2019年1~3月期(第3四半期)に特別損失として計上する。」H31.2.27水 日経39面 中部経済

2月の結果報告のときには、具体的な数字の回答があったようです。

355人の希望退職者に対して、21億円です。

2,100,000,000円÷355人
≒5,915,493円/人

退職金については就業規則や賃金規程の定めにしたがって支払うことになると思いますが、必要な額を会計上「退職給付債務」といいます。

そして実際に積み立てているマネーが「年金資産」ですが、アルペンは連結で年間2,200億円ぐらい売り上げる会社ですので、通常の退職金の支払いで「年金資産」が底をつく…ということはあまり現実的にはないと個人的には思います。

とするとこの21億円はほぼほぼ「特別加算金」だと考えると、

先ほど計算した一人当たり約600万円は上乗せ分だということになります。

上乗せ分の退職金(退職加算金とか特別加算金と呼ばれるもの)は、会社ごとに考え方があるようですが、おおむね二通りの考え方があるようです。

①数百万パターン と ②数千万パターン です。

① -------------------------------------------------
コカ・コーラ 714万円
[215] コカ・コーラ販社、早期退職募集(日経新聞)


② -------------------------------------------------
エーザイ 2,200万円
[208] エーザイ、早期退職300人 想定の3倍(日経新聞)

三越伊勢丹 2,486万円
[147] 三越伊勢丹、47%減益 今期最終 早期退職金増え特損(日経新聞)

アルペンはコカ・コーラ型ということになるのでしょうか。

2019年03月12日