「厚生労働省は25日、2018年10月末時点の外国人労働者が前年同期比14%増の146万463人だったと発表した。」H31.1.26土 日経1面
この「みんなの新聞整理」でも外国人労働者の数について、何度か解説をしてきました。
最初に解説をしたのがH29.5.22でした。
[017] 働く外国人100万人突破 (中日新聞)
わずか?1年と8カ月で約1.5倍になったということになります。
(146万人÷100万人=1.46≒1.5)
「6年連続で増え、調査開始以来初めて派遣社員の数を上回った。」同記事
外国人労働者の数と派遣社員の数をダブりのない別々の数のような書きっぷりですが、外国人労働者が派遣として働いているケースはよくあることです。
すべての外国人労働者が派遣社員になれるわけではありませんが、在留資格に応じて派遣社員として就業することは可能です。
さすれば…
この記事の「外国人労働者」と「派遣社員の数」にはダブりがあるということになります。
「外国人労働者」の数は厚生労働省の「『外国人雇用状況』の届出状況まとめ(平成30年10月末現在)」の集計値がその根拠となっていると思われますし、
「派遣社員の数」は総務省の「労働力調査(詳細集計)平成30年(2018年)7~9月期平均」の集計値をその根拠としていると思われるからです。
記事にも「外国人労働者は増え続ける」というタイトルのグラフが掲載されておりまして、注釈に「(出所)厚労省、総務省」と記されています。
この注釈の意味は前述のとおりです。
ついでに… もう少し深掘りをしてみますと…
総務省の「労働力調査」は外国人を含んだ数字です。
総務省統計局のホームページの「労働力調査の概要 3 調査の範囲及び調査対象」にはこのように記されています。
「調査の範囲は、我が国に居住している全人口である。ただし、外国政府の外交使節団、領事機関の構成員(随員を含む。)及びその家族、外国軍隊の軍人・軍属(その家族を含む。)は除外される。」
派遣労働者として働いている外国人は、当然日本に居住していると思われますし、上記の但し書きに該当するような人は例外にあたるはずです。
やはり…Wってそうですねぇ。
このように考えると、外国人労働者の数が派遣社員の数を上回ったことは、どのような社会的な意義があるのか(ニュースバリューがあるのか)が、よくわからなくなってきます。
この記事は日経新聞の1面記事ということもあり、さらに袖見出しに「10月末 14%増、派遣社員上回る」と記されていますので、もう少し記事の中に解説が欲しいところでした。
もやもや…
「国籍別では中国が38万9117人で全体の27%を占めた。ベトナムが22%、フィリピンが11%で続いた。特にベトナムは32%増の31万6840人と大幅に増えた。」同記事
この国別の「順位」に変動はなさそうです。
参考 [125] 外国人労働者 最高を更新(日経新聞)
「在留資格でみると労働現場で受け入れる技能実習制度におる人材は20%増の30万8489人。高度人材など「専門的・技術的分野」は16%増の27万6770人だった。」同記事
記事には何事もなかったようにこのように記されていますが、
このカテゴリーには「順位」変動があるのです!
「技能実習」が5つのカテゴリー3位から2位へ上昇しています。
「資格外活動」が2位から3位に陥落しました。
個人的にはこういうポイントを記事にしてほしかったと思いました。
おまけでグラフにして、まとめておきます。
緑の「技能実習」が、オレンジの「資格外活動」を追い抜いた!ということです。
(数字の単位は「万人」です。)
ここ…
ニュースバリューがあると思いますがいかがなものでしょうか?