[039] お給料記事を読むコツ…② 給与=給料+残業+ボーナス

お給料についての記事を読むコツとして、先回は「誰の」お給料のことかに注目する。
具体的には難しいことを抜きにして「フルタイム」か「パートタイム」かについて、意識することが大切!ということを申し上げました。
この回から読み始めた人は、よければ前回も読んでみてください。

さて、今回は次の段階に進みます。
「どんな」お給料かに注意をしてください。

お給料というのは、基本給とか、○○手当とか、交通費とか、残業代とかでできています。お給料明細を見ると、詳しく書いてあるはずですが、普通は手取りのところだけ見て、ポイッなんてことがよくあります。

わたしも、そんな感じのサラリーマンだったと思います…

よく注意してみるようになったのは、人事部に配属されてからですね。
「そりゃ、仕事になったからね…」「仕事熱心だねぇ」と思われがちですが、そういう動機ではありませんでした。

給与明細… 間違っていることがあるのです…
人間のやることですからね。間違いもあるといえばそうなのですが、人事部で仕事をするまでは、給与明細が間違っているなんて、考えたこともありませんでしたから、なかなかの衝撃でした。

まあまあそんなむかしばなしはこれぐらいにしまして…

新聞記事の「賃金」とか「給与」というのは、どの金額のことを言っているのでしょうか。
「手取り」でしょうか。「基本給」でしょうか。「残業代」はどうなるのでしょうか。

では、実際の新聞記事から「言葉」を抜き出してみましょう。

・1人あたりの名目賃金にあたる「現金給与総額」
・正社員の「基本給」「残業代」
・名目賃金から物価上昇分を差し引いた「実質賃金」
・基本給を示す「所定内給与」
・残業代にあたる「所定外給与」
・通勤手当や賞与を示す「特別に支払われた給与」
※抜き出しをした記事 →)給与総額10カ月ぶり減 H29.5.9火 日経新聞

具体的には給与の種類によって、呼び方がそれぞれ違うということがわかりますが、例えば「現金給与総額」にはなにが含まれているのか、いないのかが、この記事だけではわかりません。

「基本給や残業代などを合計した」一人当たりの現金給与総額
※抜き出しをした記事 →)4月の給与総額2カ月ぶり増加 H29.6.7水 中日新聞

これを読むと「ははあ~ん」ですよね。

「現金給与総額」=「基本給(所定内給与)」+「残業代(所定外給与)」+「特別に支払われた給与」
「実質賃金」=「現金給与総額」-「物価上昇分」

まだむずかしいですね…

給与=給料+残業代+ボーナス  ……… ①式
給与の真の価値=給与 ― 物価の値上がり分 ……… ②式

こんなところでしょうか。

お給料に関する新聞記事には「毎月勤労統計」(「マイキン」というらしい…)という統計数値が出てきますが、これは厚労省が毎月行っているもので「給与」には「賞与」が含まれていますので、12月や6月にはボーナスが加算されて「給与」は大きく上昇します。

したがって「前年同月比でどうなのだ」という観点で上がった下がったと評価されることが多い統計であることに留意が必要です。

さあ、ここまで整理するとあと一息です。
次回は、これまでの知識をクロスして、表にまとめてみましょう!
お給料の記事が読めるようになります!

(つづく)

2017年07月12日|ブログのカテゴリー:賃金(基本給 手当 賞与)