[025] 待機児童4万7000人(中日新聞)

待機児童というのは、「認可」保育所の「入所資格がある」のに申し込んでも「入れない」こどもたちのことでした。

待機児童は、4月に保育所を卒業するこどもたちがおおく、統計的には10月にくらべて、4月には半分の数に減少するということもご紹介しました。

待機児童の数を0歳児だけとりだしてみると、4月にはおおむね6分の1になります。
待機児童全体で、おおむね半分に減少することは以前ご紹介ました。([023] 待機児童4.8万人に増加(日経新聞)

それにくらべて、0歳児の待機児童の4月時点の減少はとても際立っていると言えます。

この理由について、すこし解説してみたいと思います。

2016.10.1 22,007人
2016. 4. 1  3,688人
(待機児童数[0歳児のみ])

たとえば6月1日生まれのこどものママは、翌年の5月いっぱいまで育児休業をすることができます。これは法律で定められているのですが、のん気に5月まで休んでいて、6月から保育所への入所はとても難しいといわざるを得ません。

4月が年に1度の入れ替わりの月だからです。

では、育児休業は6カ月延長することができますので、6カ月延長したとして、次の入所のタイミングは12月です…。

この延長した6カ月の中には、年に一度の入れ替わり月である4月がなく、入所ができないことを覚悟しなければなりません。

このようなことをあらかじめ予想して、ワーキングママのおおくは、法律で定められた1年間すべての育児休業取得することをあきらめて、保育所入所を目指すのです!
つまり、育休を2カ月短縮して3月まで取得として、4月保育園入所を目指すことになります。

職場復帰をした4月の段階で、まだ1歳の誕生日を迎えていませんので、0歳児ということになります。

この動向が統計に表れたのが、4月と10月の6倍の差ということです。

この育休短縮0歳児作戦をとっていたとしても… 6人に1人は「落選」するというようにも読めます。

わがことと思うと気が気でない数字です。
会社としても、育休取得者の6人に1人が退職するかも…と考えると、すこし積極的に考えなければならない課題になると思います。

「待機児童」問題は、思いのほか根が深いようです。

今日の記事ネタまとめ

①「待機児童4万7000人(昨年10月、2年連続増)」H29.4.1土 中日新聞
②「待機児童4.8万人に増加(昨年10月時点 保育所不足続く)」H29.4.5水 日経新聞

2017年06月09日|ブログのカテゴリー:待機児童