先日「待機児童」に「保護者が育休中」を加算するという記事をとりあげました。(親が育休中でも「待機児童」に(日経新聞))
このたびの記事の見出し「待機児童4.8万人」の中には、まだ「保護者が育休中」は含まれていません。
従来のカウント数だということです。
この「待機児童」の数は、見直し前で「保護者が育休中」を含まない数でも、月によって大きく数が変動します。
「待機児童」の数を見る時には、何月(なんがつ)の数字なのかをチェックすることがポイントです。
たとえば、この記事の4.8万人は、10/1時点の数です。
同年の4月と比較すると、おおきく数が異なります!
待機児童数
H28.10.1 47,738人
H28. 4. 1 23,553人
4月から10月のわずか半年で「待機児童」は倍増します!
でも… これ普通のことなのです…
4月は学年の切り替わりの月です。
すなわち保育所をまとまった児童が卒業する。
そして空席待ちをしていた「待機児童」がその卒業した空席をアッという間に埋める。
結果…4月には「待機児童」が大幅に減少する。
こういうことだったのです。
10月に増加したとみるよりも、4月に減少すると見たほうがよさそうです。
記事にも「待機児童は4月に新年度入所で大幅に減り、育休明けの保護者などの申し込みで年度末にかけて増加する傾向がある。」としています。
また国や自治体が「待機児童ゼロ!」と言っているのは、「4月時点でゼロ!」と言っていることに留意する必要があります。
つまり、いわゆる「待機児童ゼロ!」が実現したとしても、4月以外の月は「待機児童」がいるかもしれない(たぶんいる!)ということです。
4月は保育所入所の年に一度のチャンスですから、生まれ月にかかわらず、4月に保育所に入所するための作戦を練ることが、すなわち職場復帰への近道になります。
その作戦は「待機児童ゼロ!」になったとしても、学校も会社も会計も…4月スタートである限り、かわらないことかもしれません。
育休を経てもなお、職場復帰しようとするひとは、基本的にロイヤリティ高く、貴重な人材だと思います。採用難、人材不足を考えるとなおさらですね。
4月入所に賭けるワーキングママの気持ちにより添い、職場復帰への現実的な道筋を案内できる人事担当者がいれば、それはすなわち会社に貢献することになります。
頑張ってほしいと思います。
今日の記事ネタまとめ
①「待機児童4.8万人に増加(昨年10月時点 保育所不足続く)」H29.4.5水 日経新聞
②「待機児童4万7000人(昨年10月、2年連続増)」H29.4.1土 中日新聞