「プログラマーなどIT(情報技術)エンジニアが不足する中、フリーランスのITエンジニアのニーズが高まっている。」H31.3.9土 日経6面 総合5
「正社員は10人面接して1人採用できるかどうかだが、『フリーなら高い報酬を出せば数週間で就業してくれる。事業のスピードを落とさないための投資だ』(西野量代表)。」
たとえば昭和の時代では、新卒で採用した「ひよこちゃん」(新人)を長い時間をかけてそだてあげることが人材育成の基本でした。
またそうしたほうが会社にとっても、本人にとっても都合がよかったのだと思います。
会社に対するロイヤリティや仲間意識をはぐくむことによって、会社という場所はかけがえのない場所になる‼というのが、ひとつの理想でした。
この記事を読むと、そんなのどかな時代は終わりはじめているように思えます。
人間関係や仲間意識が人をつなぐのではなく「技術」が人をつなぐということです。
「正社員は10人面接して1人採用できるかどうか」という部分は「できる人材がなかなか応募してこない」という意味にも読めますが「正社員という枠に縛られたくない」人が増えてきたということかもしれません。
ひとつの会社に縛られるよりも、いろんな場所や会社で自分の技術を試してみたいと考えているのかもしれません。
「月額相場は全国平均で65万~67万円に上る。」同記事
高いか安いかは成果物の生産性によると思いますが、年収に換算すると780万円~804万円ですので、びっくりするぐらい高い報酬かというとそうとも言えない金額だと思います。
「フリーエンジニアは、企業と直接契約するのではなく、エージェントを介して業務委託契約を結ぶのが一般的だ。契約後には相手企業に常駐してフルタイムで働くケースが多い。」同記事
確かにITエンジニアの場合、必ずしも指揮命令が必要なわけではありませんので、労働者派遣ではなくともよく、業務委託がフィットするのだと思います。
「リクルートワークス研究所によれば、全国のITエンジニアのうちフリーだけで生計を立てている人は少なくとも8.3%にのぼる。」同記事
ITエンジニア12人のうち1人はフリーだということです。
「ただ、エンジニアが50代以上になると『責任者ポストでしか引き合いがなくなり、照会できる仕事が急減する』(大手のPE-BANK=東京・港)のも現実だ。」同記事
このようなことはフリーで働くITエンジニアはわかっているわけでありまして、それなりの行く末を当然考えているはずです。
20代30代40代と自分の技術を試して、自分の進むべき道をみつけて、例えば50代に起業するなど、新しいキャリアパスができてくるかもしれません。
それは先日みん新でご紹介した50代以上で自営業が増えているという社会現象にもつながる話です。
[220] 自営業 進む高齢化 65歳以上39.8% 定年後、起業も
雇用に頼らない新しい道筋はIT業界のみならず、社会全体が人生100年時代の方向に動き始めているようです。