あけましておめでとうございます。

「事務所」も「みん新」も頑張りたいと思いますので、どうぞ本年もよろしくお願いいたします。

さて今年の元旦は、愛知県名古屋市のことではありますが、快晴のお天気で気温もそれなりにあたたかく感じられ、とても過ごしやすい一日でした。

初詣は名古屋周辺では有数のポイントである熱田神宮に、元日の午前中に参拝してきました。午前10時ぐらいに境内についたのですが、まだあまり人手が集中しておらず、穏やかに初詣をすませることができました。

お参りをしてわたしの頭から離れないのは「お賽銭 スマホでポチッ」（H30.11.16金 日経新聞35面 中部経済）の記事のことです。これについては、昨年このみん新でもご紹介しました。（下記リンクご参照ください。）

[191] お賽銭 スマホでポチッ 飛騨の円光寺 地域電子通貨活用（日経新聞）


このお賽銭の電子化に関する記事が、この度は中日新聞にも掲載されていました。

昨年の日経の記事では「お賽銭のデジタル化はまだまだかな…」と思わせるような雰囲気があったのですが、中日新聞の書きっぷりは、とても“お賽銭デジタル化計画”に積極的なものに感じられます。

「初詣などに欠かせない『さい銭』。最近は紙幣や硬貨だけでなく、1円単位で支払える電子マネーでも受け付ける神社や寺が全国で広がっている。」H30.12.31月 中日新聞22面 社会

記事に取り上げられている神社やお寺をリストアップしてみました。

① 愛宕神社（東京都港区）　導入の理由：さい銭泥棒防止のため

② 日光二荒山神社（栃木県日光市）　導入の理由：中国からの参拝客増加への対応

③ 海眼寺（京都府福知山市）　導入の理由：寺を訪れない若者をターゲット

以上3カ所が紹介されていましたが、消極的理由の①愛宕神社さんの「古典的」理由はともかく、そのほかの導入の理由は社会の動きと“お賽銭デジタル化計画”が結びついていて、元号が改まりあたらしい時代の到来が期待される今年を予見しているかのようです。

「寺を訪れない若者らを狙って電子決済を導入した。」同記事

③海眼寺でのデジタル化導入の理由が記事にはこのように記されていましたが、これはそもそも「若者ら」がお寺などの現地に赴かなくとも、スマホでポチッ！と投げ銭をして「まんまんちゃん あん！」と拝んでおけばＯＫ！ということを意味しているでしょうか？

すこし余談ですが…「まんまんちゃん あん！」とは関西圏ご出身の方々は「あぁあれね」と周知のことなのですが、ご存知のない方のために関西を代表して？一応解説しておきますと「まんまんちゃん」とは「南無阿弥陀仏の幼児語」のことでして、「あん」とは諸説ありますが「あな尊し」のことを意味します。つまりおこちゃまに仏壇で拝ませるときに「南無阿弥陀仏」と言わせるのはハードルが高いので、そのかわりに「“まんまんちゃんあん”せなあかんやん‼」と親から子に口述伝承されるフレーズなのです。

「まんまんちゃん、あん。あっりがっとさ～～ん。」というフレーズを関西人は時として口にしますが、これを翻訳しますと「（神様）仏様心から敬意を表します。どうもありがとうございました。」ということになります。

で…閑話休題です。

コタツでゲームの合間に「さい銭をスマホでポチッ！」として、いつでもどこででも「まんまんちゃんあん！」としておけば、御利益があるのであれば、都合がよいと思う人もたくさんいるのではないかと思われます。それに多くの人が集中して参拝する初詣の姿も変わってくるのだと思います。

わたしは元旦に熱田神宮で初詣をすませた後、出店屋台のひとつに入り焼きそばとビールを片手にしながら、参拝に赴く人の流れをぼんやり眺めていましたが、デジタル化になればこのような屋台のお商売もかわってゆくのかもしれません。

「神社本庁（東京）の広報担当者は『御利益はそもそも、お金の対価として与えられるものではない。大切なのは祈願成就への感謝の気持ち』と強調する。」同記事

なるほど…のコメントです。

しかし…さすがにお賽銭ゼロ円では神様が振り向いてくれないような気がしないでもありません。

神様というのはユビキタス…

ユビキタスという言葉は「いつでもどこにでも」という意味でネットやデジタル化に関して時として使われる言葉ですが、そもそもは「神の遍在」を意味する宗教的な文脈の言葉だったと思います。

神様はいつでもどこにでもいる。

だから「気持ち」が大切だ！ということだと思います。

さい銭スマホでポチッ！は金額的には小さいかもしれませんが、社会や生活やカルチャーに与える影響はとても大きいのかもしれません。

なにせ…金額よりも気持ち、それにユビキタス（お天道様は見ている！）ですから…