「外国人労働者数」の内訳は、①専門的・技術的分野、②永住者や定住者、③技能実習生、④経済連携協定[EPA]に基づくもの、⑤留学生のアルバイト等 の5つのカテゴリーに分類されることを以前ご紹介しました。(働く外国人 100万人突破(中日新聞))
このたび注目するのは、この5つのカテゴリーのうち「①専門的・技術的分野」です。このカテゴリーには、日本で働く外国人のうち、ざっくり20%=20万人の外国人の方々が働いています。
国はこのカテゴリーを増やしたいと考えているようです。
昨年(平成28年)は、訪日客が過去最高の2,403万人で、当然宿泊や飲食関係で語学に強い人材へのニーズは増えているはずです。そのニーズは、理想的には、①専門的・技術的分野」の外国人が適任だと思いますが、実態は「⑤留学生のアルバイト等」でしのいでいるのが現状です。
「⑤留学生」はいずれ帰国するので、国としては、できれば「①専門的・技術的分野」の外国人にはじめから働いてもらい、できれば日本に定着してほしいという考えです。
それとは別に、東京都の小池知事は、東京都を「国際金融都市」にしたいという構想をお持ちのようで、そこに「①専門的・技術的分野」の外国人を活用したいと考えているようです。その前提で、「①専門的・技術的分野」の「資格認定」のハードルを、東京都に限って、さげてほしいという要望をしたというのが、記事の要旨です。
フィンテック(フィナンシャルとテクノロジーの合成語)を目論む構想なので、金融工学の専門家やピカピカの金融ディーラーが続々東京にやってくる…というのは、個人的にはとても興味があります。みんな信じられないぐらい、頭がいいのでしょうね…。
小池知事が「東京都だけ」といったのは、根拠があって、国の方針として「①専門的・技術的分野」のハードルを下げてもよいが、日本全体で一斉に下げず、まずは「国家戦略特区」というところで、優先的にさげましょうか…という流れになっています。そして「国家戦略特区」のひとつが、東京都であるということです。
日本の外国人就労は「③技能実習生」のカテゴリーで、国際的に批判を浴びたりすることもあります。
「①専門的・技術的分野」カテゴリーには頑張ってほしいと思います。
今日の記事ネタまとめ
①「都知事「在留資格緩和を」(外資系金融誘致へ要請)」H29.4.21金 日経新聞
②「海外人材をサービス業へ(通訳・調理師…特区で要件緩和)訪日増・人手不足に対応」H29.2.21火 日経新聞