「働き方改革」というのは「9分野」あり、「慣行打破」するのだ!ということについては、以前書きました。(「働き方改革」って、そもそもなに?H29.4.6)
この「9分野」のひとつに「外国人就労」があります。
意外に思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、国策として「外国人就労」に取り組むという理解でよろしいかと思います。
実はこの背景には、少子化・高齢化による「働き手の減少が加速」しているという現状があります。
どのぐらい減少しているかというと、具体的には20年前にくらべて、1千万人!ぐらいの「働き手」が減少しています。
これがどのぐらいのインパクトか、少し解説します。
日本の人口は、昨年(平成28年10月1日現在)で、1億2693万3千人です。その中にはご老人や小学生や中学生なども含まれるわけですから、実際に働ける人(働いている人ではないので注意してください…
働く可能性のある人を広く見積もっているという点がポイントです。)は、7,728万人です。これが20年前には8,700万人ぐらいいたということです。
つまり、10%以上働ける人が減ったということです。
会社で仕事が減らないのに、社員が1割減ったら大変なことになりますよね。
いまの日本はそんな感じということでしょうか。
そこで「外国人の就労」を促進して、「働き手」の減少にあてようという考えです。
実際「働く外国人」は「100万人」を超えているということは… 減った働き手1,000万人の1割ぐらいは、外国人でリリーフできたという数字です。
特に「ベトナムは外貨獲得と雇用対策を兼ね、国策として「労働力の輸出」を進め」ています。ベトナム人の労働者は前年比で56%!も増えています。急増!ですよね…。
この方針にはさまざまな意見があり、昭和女子大学特命教授の八代尚宏先生は「女性や高齢者の活用促進が基本」で「人口減少を外国人の受け入れで止めようとすると大規模な移民流入が必要で、難しい。」としています。
また日経新聞社が2月に実施した世論調査では、「あなたは人口減少への対策として、日本に定住を希望する外国人の受け入れを拡大することに賛成ですか、反対ですか」の問いに、
賛成=42%
反対=42%
で意見が割れていました。
若者は賛成する傾向があるのですが、70歳以上には抵抗がある様子も記事になっています。
「外国人の就労」は「働き方改革」のひとつで、「残業時間規制」や「同一賃金同一労働」と並ぶテーマのはずですが、なかなか議論がすすまなかったみたいです。
高年齢者に配慮した政治姿勢で、慎重議論になっているようなことが、記事になっています。
「シルバー民主主義」との表現が印象的です。
かたや現実問題として、人手不足は深刻になり、外国人の流入は続いていくような印象があります。身近で深くとても重要なテーマだと思います。
今日の記事ネタまとめ
①「働き方改革実行計画 解説と要旨」H29.3.29土 日経新聞
②「景気 生産・輸出で底堅く(人手不足が制約要因)」H29.4.17月 日経新聞
③「外国人の純流入、13.6万人(過去最大 人手不足、増す存在感 総務省推計)」H29.4.15土 日経新聞
④「働く外国人 100万人突破(19%増 初の大台)」H29.1.28土 中日新聞
⑤「外国人材と拓く(実習生という労働力)人手確保 きしむ「玄関」」H29.3.21 日経新聞
⑥「データで見る 外国人材と拓く(世論調査、賛否42%で真っ二つ)」H29.3.21火 日経新聞