[159] たこ焼き販売1.3億円脱税容疑(日経新聞)

大阪城公園(大阪市中央区)で営むたこ焼きなどを売る店で得た所得を申告せず約1億3千万円を脱税したとして、大阪国税局が…所得税法違反の疑いで大阪地検に告発」H30.7.25水 日経夕刊13面(社会)


「脱税額が1億3千万円?」
「いったいいくら売り上げたらこうなるの??」
「たこ焼きでしょ。たこやき…まるいやつ」


これが普通の反応でしょうね。しかしいまやこのたこ焼きのお商売は、単なる屋台ものだとバカにはできません。以前「築地銀だこ」を運営するホットランドが自動でたこ焼きをつくるマシンを導入する記事を紹介しましたが、そのホットランドの年商は300億円ですから、もはやお店商売ではなくてビジネスです。http://sr-fp.jp/posts/post70.html([071] 外食、苦肉の省力調理(求人倍率3倍、確保難航)…① 日経夕刊)

関係者によると、2014年1月~16年12月の所得約3億3千万円を申告せず、所得税を免れた疑いが持たれている。」同記事

え~っと(ご破算で願いましては…)

つまり36カ月で330,000,000円「所得」があったということですから、経費が差し引かれてこれだけあったということです。従いまして、売り上げはこの金額よりも小麦粉代やたこ焼き焼き機のガス台とかの経費分さらに多いということになりますが、所得=売上としたいと思います。売上を水増ししているわけではなく、ある意味「厳しめ」に算定してるのでご勘弁ください。(本当はすこし面倒なだけですが…)

え~っと(もう一度…ご破算で願いましては…)

36カ月で330,000,000円売り上げがあったということにしますと、月当たりの売上は900万円程度あったということになります。(330,000,000 ÷ 36 ≒ 9,166,667円)

わたしは大阪出身ですので、たこ焼きについては家庭でたこ焼きの焼き方や食感、ソースや青のりの選定にいたる英才教育を受けるとともに、街で買い食いしたたこ焼きの数は数知れず無限とも言える数のたこ焼きを食してきた実務経験をもとにすると、だいたい1個50円ぐらいだと思います。

6個300円 8個400円みたいな感じです。



先ほどの「築地銀だこ」さんは6個500円の高級たこ焼きを販売されているようですが、個人的には例外のような気がします。たこ焼きはひと船8個はあってほしいのです。ひと船買って誰かと分け合う場合、一人3個ではなんだか物足りず、やはり一人4個はほしいわけです。一人で食べる時も「まあおなかがふくれたらのこしたらエ~やん」と思いながら、結局8個全部食べ終える時の気持ちの余裕は、たこ焼きの味わいにおおいに影響してくると思います。

さて…

ひと船8個400円で、月900万円を売り上げようと思うと、月22,500船を売り上げる必要があります。(9,000,000円 ÷ 400円/船 = 22,500船)ひと月25日稼働するとすると、一日当たり900船を売る必要があります。(22,500船 ÷ 25日 =900船/日)

たこ焼き屋さんにもよりますが、夕方5時ぐらいから午前0時の終電あたりまで営業していると考えると実働7時間。昼間に開店しているお店だとしても実働10時間ぐらいではないかと思います。

仮に実働7時間とすると…

一日当たり900船を売り上げのためには、1時間当たり129船を売る必要があります。(900船 ÷ 7時間=128.57…船/時)
1時間あたり129船を売るとすると、1分あたり2船程度売る!(129船 ÷ 60分=2.15船/分)

つまり!

約30秒に1船売り続けると3年間で3億3千万円稼げる!という計算になります。 (60秒 ÷ 2.15船=27.906秒/船)

しかも!

このペースで売るとすると、たこ焼きは一日当たり7,200個焼き切る必要があります。(900船/日×8個/船=7,200個/日)

生産能力の方も結構効率的にやらないと追いつきません。

つまりこのお店は販売面のみならず生産面もかなり充実していたということになります。設備面も働く人の数も半端にはできない水準だと思います。

わたしは大阪をはなれて15年ぐらいが経ちましたので、現在の大阪城公園のたこ焼き事情はよくわかりませんが、このお店は繁盛店で結構目立っていたのかもしれません。税務署はそのあたりよく見ていたのだと思います。

外観調査で客足を見ながら先ほどわたしがやった計算順序を逆にたどっていったのかもしれません。

そこは税務署にお任せするとして、わたしの興味はどうしてそんなに売れたのかということです! 「だれがたこ焼きに興味を持って購入したのか問題」がわたしの興味の中心です。


この店は公園内でも観光客が多い好立地にある。七月下旬の平日、外国人の団体がたこやきやソフトクリームを並んで購入していた。約三十席はほぼ満席。店の関係者によると、数十年前に営業を始め、ここ三、四年で外国人が急増した。立って食べられるメニューを増やしたり、外国人向けの派手な色のかき氷を用意したりしてきたという。」H30.7.26木 中日27面(社会)


ここにも外国人の影響があるということです。

客の多くはインバウンド(訪日外国人客)という。」同記事

お客様に外国人が多いのはわかりましたが、たこ焼き店で働く人に外国人はいたのでしょうか? この点も個人的に気になりますね。大阪に行ったときは、久しぶりに!大阪城公園まで足を延ばしてみたいと思います。


2018年08月09日