今回は新聞を読んで「基盤」をつくるコツをお伝えするお約束でしたね。
先回ご紹介した記事をもう一度ご確認してください。
「国内の主要企業が社員の有休休暇取得率の引き上げに動く。日本経済新聞社が実施した「社長100人アンケートでは経営者の9割が取得率を引き上げると回答。2020年までに取得率70%以上を目指す経営者が5割に達した。」H29.9.30土 日経新聞
日経新聞のアンケートに答えている社長さん100人は、実は日本の名だたる「超」大企業の社長さんです。
すこし話はそれますが、大切なことだと思うので、あえて記しておきたいと思いますが、統計の使い方について、たいへん参考になる記述が「賃金統計の見方使い方」孫田良平著 一粒社にあります。
昭和45年に出版されたとても古い書籍で、著者の孫田先生も平成27年にお亡くなりになっているようですが、この本はとても勉強になりました。
すこし引用してみたいと思います。
“「専門家は注から読む」という言葉がある。数字からみずに、数字の限定された意味を確かめよ、という意味である。”
統計を理解して読むにあたり、正鵠(せいこく)を射る記述だと思います。
これを前提に頭を働かしながら、新聞記事に目を戻しますと…
100社の社長さんの半数が「有休取得率70%」を目指します!と言っているということです。しかも大企業の社長さんです!とすると…
この「有休取得率70%」はどういう数字なのでしょうか?
実は他にも「有休取得率70%」を目標にしている会社のことが記事になっていました。
「カゴメ(名古屋市)の寺田直行社長は二十八日、名古屋市内で開かれた株主総会で、社員の有休休暇取得を促進し、四月から来年三月までの一年間で消化率七割を目指すことを明らかにした。」H29.3.29水 中日新聞
これを読むと「消化率七割を目指す」としていますので、「あ~ いまは70%ないんだ~」と思ってほしいわけです!
そして「カゴメはだれでも知ってる企業だよな」と思ってほしいわけです。
そうです!社長100人アンケートの企業と同様の大企業ですよね。
「カゴメの現在の有休消化率は約六割」同記事
「じゃあ!カゴメのような大企業以外は六割ないんだよね~」
このように記事を読みながら考えてほしいわけです。
このような思考を持つことが「基盤」なのだと思います。
この基盤を拠り所に、就業条件総合調査(厚労省)の平成29年度版を見てみますと、取得率の平均は予想通り60%あるわけはなく49.4%だったということです!
大企業と平均の間には、約10%の差があるというわけです。
すでに平均より10%有給取得率の高い大企業が、さらに10%上の有給取得率70%を目指す!
ここがともに10%なのは、あながち偶然ではないかもしれません。
このように考えながら新聞を読んでいると、統計の数字がとても身近に感じられます。
これをコツコツやっているひとと、そうでないひとは、1年もたてば計り知れない差がついているはずです。
わたしも「みんなの新聞整理」をコツコツ書き続けて、
ついに!100回になりました!
さすがに100の記事を一度に書くことはできません。
これもコツコツの成果のひとつと言えると思います。
頑張りましょう!
今日の記事ネタまとめ
①5割が「有休取得率70%へ」 社員の休み方改革加速H29.9.30土(日経新聞)