[091] 「何らかの週休2日制」と「完全週休2日制」

前回、週休制の企業動向は「就労条件総合調査」を見れば参考になります!ということを申し上げました。

ネットを検索してみれば、すぐに厚生労働省の該当ページを見つけることができますので、たやすく確認をすることができますので、興味のある方はぜひ確認をしてみてください。

ここまではたやすいのですが、実はここからがすこし難関です。

そこには「何らかの週休2日制」「完全週休2日制より休日日数が実質的に少ない制度」「完全週休2日制」という言葉が並んでいるからです。

まず基本的なところからですが…

「週休2日制」と
「完全週休2日制」はどう違うのでしょうか?

う~ん… なんとなく…
では…

「完全週休2日制(土・日・祝)」と
「完全週休2日制(土・日)、祝」の違いは?

???

「完全週休2日制(土・日・祝)」というのは、祝日がある週は土曜、日曜、祝日のいずれかが出勤で、残りの2日は休日になるという意味です!

つまり… 土・日・祝は、すべてお休みではありません!

ガーン!と古いマンガのような衝撃を受けた方もいらっしゃるかもしれません。

ガーンさんの頭の中で思い描いていたのは「完全週休2日制(土・日)、祝」のことだと思います。

これは土曜と日曜が休日の2日に充てられ、さらに祝日もお休みになるということです。土日は必ずお休みで、祝日はエクストラ休日である!ということですよね!

祝日が土日に重なった時の扱いは、会社ごとに就業規則で定めていると思います。

定まっていない、定めていない会社も、現実にはたくさんあると思いますが… トラブルのもとになることよりも… 残業代の計算にも影響してくる大切な決めごとです…よ。

休日が多いと残業代が上がり、休日が少ないと残業代が下がることは、月給制の場合にはたいへん起こりやすいと言えます。

「ほんとに???」

むずかしいですね!

このあたりの理屈はまたの機会にご紹介するとして、まあまあ休日と言うのは単に休むこと以上に影響がある大切なキマリだということを覚えておいてください!

採用の場面では、もっとストレートに影響がありますよね。

たとえば求人票を出す人事の採用担当者にとっては、このあたりのことは常識ですので、この二つの違いはきっちり区別をして求人をしているはずです。

転職を考えている方!どうぞ注意してください!

あなた「祝日に出勤は、休日出勤ですよね…」
課長 「いいえ、普通の勤務ですよ!」
あなた「うそでしょ!」
課長 「うそ? うそはついていませんよ。ほら求人票のここに書いてあります。」
あなた「だって… 土、日、祝って書いてあるじゃないですか!」
課長 「いいえ! 完全週休二日制(土・日・祝)です!」
あなた「???」
課長 「完全週休二日制(土・日)、祝ではありません!」(ズビシ!)
あなた「……」
(こんなはずじゃなかった… 泣)

どうかこのようなことが起きませんように… 祈

話題がすこしそれてしまいました。
閑話休題ですね。

このあたりを理解したうえで、就労条件総合調査に戻ってみます。

そこには「何らかの週休2日制」「完全週休2日制より休日日数が実質的に少ない制度」「完全週休2日制」という言葉が並んでいるのでしたよね。

もうおわかりですよね!

「何らかの週休2日制」=「完全週休2日制より休日日数が実質的に少ない制度」+「完全週休2日制」
「完全週休2日制より休日日数が実質的に少ない制度」≠「完全週休2日制」

これはこのような関係にあるということです。
そして「完全週休2日制」とだけありますので、ここには土曜日曜が必ず休みとは限りませんし、祝日がお休みと保証されたものでもないということに注意が必要です!
繰り返しになりましたが、念のため…

すこしつかれましたね…

実は、この「就労条件総合調査」、社労士試験にたびたび出題されます。
最近では平成28年、平成27年、平成24年の「一般常識」科目に出題されました。
この「一般常識」科目は、多くの社労士受験生が対策に手を焼くのですが、このあたりの基礎的な理屈をおろそかにして、数字だけを覚えようとしているので、時間をかけた割に成果がなく、迷った挙句に間違えてしまう… のだとわたしは思っています。

このような基礎的なところを解説した社労士受験参考書があるといいなと思うのですが、残念ながらまだ見かけたことがありません…

平成30年度社労士受験生のみなさん!頑張ってください!

2017年12月07日|ブログのカテゴリー:働き方改革