新聞には「女性一人が生涯に産む子どもの推定人数「合計特殊出生率」」という具合に、合計特殊出生率が紹介されています。
これを文字通りに読むと、ある女性のA美さんについて何歳の時に何人子どもを設けたのかを追跡取材したデータを、A美さん以外のすべての女性!に対しても追跡取材して集計する…という印象を受けます。
しかし…
これは莫大な労力がかかりますよね。
そこで!
ある時点で、調査する対象の女性を5歳刻みぐらいのグループに分類します。
実際の統計で対象としている年齢は15歳から49歳の35年間です。
① 15歳から19歳のグループ
② 20歳から24歳のグループ
③ 25歳から29歳のグループ
④ 30歳から34歳のグループ
⑤ 35歳から39歳のグループ
⑥ 40歳から44歳のグループ
⑦ 45歳から49歳のグループ
以上7つの世代グループができます。
仮に50歳の人を調査したならば、過去を振り返って、①から⑦の「世代」のときに何人子どもをもうけたか答えられるはずです。
あれれ… そうすると…
仮に15歳の人を調査したならば、15歳時点のことは答えられますが、16歳17歳18歳19歳のことと、②から⑦については、将来のことなので答えられません。
したがって、自分が該当するグループを「卒業」しないと回答ができないということになります。
合計特殊出生率が、女性が15歳から49歳の間に設けた子どもの数ということですから、この方法では対象者が49歳を終えて、対象年齢を「卒業」した50歳にならないと、すべての集計数字がでないということになります。
この集計方法を「コーホート」合計特殊出生率といいます。
「コーホート」とは「世代」という意味です。
ひとりひとりを追跡取材することを思えば、すこし負荷は軽減されるかもしれませんが、まだまだ大変な作業が予想されます。
もっと効率的に特殊出生率を算出する方法がないのか…
ということになりますが、その方法が「期間」合計特殊出生率という方法です。
次回はその計算方法を解説したいと思います。