この見出しの記事は、平成29年9月16日土曜日の日経新聞に掲載されたものです。
厚生労働省が2016年の人口動態統計の「確定値」を発表したという報道です。
この記事はほんの9行に過ぎない小さな記事でしたが、実は3か月前の6月2日土に「概数」が発表されたときには、日経新聞も中日新聞もそれなりの大きな扱いで記事を掲載していました。両紙ともに、一面記事に引き続き関連記事を別ページにも記事を掲載して、力をいれていました。
それは「出生数が初めて100万人を割った」ということが明らかになったからです。
どれぐらいインパクトがあるニュースであるかと言いますと…
「1899年に統計を取り始めてから初めて100万人を割り込んだ。」
実に117年ぶり!?ということです。
これを厚生労働省のHPに掲出してあるデータをすこし紐解いて、深堀をしてみますと、1899年(明治32年)の出生数は138万6981人ですので、これより以前は統計がなく、とても残念ですが、出生数100万人を達成したのは、明治31年よりまだまだ昔!と考えたほうが自然です。
したがって、統計がないというだけで、事実の上ではもっと前から出生数100万人を超えていたのだと私は思っています。
太平洋戦争のさなかの昭和19年と昭和20年の統計は取得できなかったのでしょうね。
厚労省の「人口動態総覧の年次推移」データは空欄になっていますが、昭和15年から昭和27年までは200万人を超える出生数となっていますので、統計のない昭和19年、昭和20年も、おそらく200万人以上の出生があったと推測されると思います。
出生数がもっとも多かった年は、太平洋戦争がおわって、平和な時代が訪れた1949年(昭和24年)の269万6638人です。
この時代に生まれた人を、第1次ベビーブーマーとか団塊の世代と呼んでいますよね。
この先輩方々は、今年2017年(平成29年)には68歳です。
そして、見出しのとおり昨生まれた人は、97万6978人ですから、昭和24年第1次ベビーブーマーのピークの数字に比べると、976,978÷2,696,638×100=36.23%
にまで1学年あたりの子どもの数が減少してるということです。
「子どもが3分の1程度しかない。」
そういう記事になっています。
ここには婚姻数の減少や経済的事情や生涯未婚の選択する人の増加など、さまざまな要因が複合していると指摘されていますが、数字は事実ですので、とても重い意味を持っていると思います。
まずはこの数字をおぼえておくことは、新聞記事を読むうえで、とても大切なことだと思います。
今日の記事ネタまとめ
①「出生数、昨年97万6978人」H29.9.16 土 日経新聞
②「出生数 初の100万人割れ(出生率低下1.44昨年、少子化に拍車)」H29.6.3土 日経新聞
③「30代前半も出生率低下(育児環境・働き方改革急務)」H29.6.3土 日経新聞
④「出生数 97万6000人(16年 初の100万人割れ)」H29.6.3土 中日新聞
⑤「第1子が大幅減少(出生100万人割れ 結婚減が影響か)」H29.6.3土 中日新聞