[009] 育休取得率 男性1.9%(中日新聞)

「あれ?ほんと?」と思った社労士試験受験生の方は、一般常識科目の学習がすすんでいますね!
人事部の方々も「ん?」とひっかかったのかもしれません。

そうなのです。
実は全国では、男性の育児休業取得率は、平成25年度にすでに2%を超えています。
最新の統計(平成27年度)の具体的な数字は2.65%。1.9%というのは、愛知県の数字なのです。
(全国平均では男性38人に1人は、育休取得者ということになります。)

この男性の育児休業取得率が、厚生労働省が認定する「育児応援企業認定(通称:くるみん認定)」の認定条件に加わりました。

そもそもこの「くるみん認定」とは、「社員の子育て環境を整えている企業を厚労省が認定する仕組み」で、ホワイト企業としてのお墨付きをもらい、採用活動などでの応募者増加などのメリットを目論むという企業のイメージ戦略のひとつです。

その条件が厳しくなったということです。
すでに認定を受けている企業が、昨年7月時点で2,700社あるということですが、担当者の方々は、ざわ…」「ざわ…」「ざわ…」しているのではないでしょうか。

いままでは会社に1人でも男性育休取得者がいればよかったのですが、これからは、なんと7%以上!が必要条件となったからです。

全国平均が2.65%、愛知県が1.9%ですから、いきなり相当高いハードルになったということです。

このほかにも、「1年間の平均月時間外労働時間が60時間以上の労働者が1人もいないこと」も必要条件とされました。

「くるみん」のホワイト企業的な価値がかなり増したことにはなりますが、会社としては「苦しい…」と感じるのが、正直な気持ちではないでしょうか。

かの電通は…実は「くるみん」認定されていたのですが、このたび認定を辞退しました。
現実的に、そのほかの会社でも、おそらく…認定返上があるのでしょうね。

事実、パナソニックが「くるみん」を4月5日に返上しました。「くるみん」の上位認定の「プラチナくるみん」や「くるみん」の女性活躍版「えるぼし」も返上したそうです。

決断をする人事部管理職の方々、役員の方々、おつらい気持ちだと思います…
頑張ってほしいと思います。

今日の記事ネタまとめ

①「育休取得率 男性1.9%(県内企業 調査開始以来 最高に)」H29.3.8水 中日新聞
②「育児応援企業認定 厳しく(厚労省 男性の育休取得「7%以上」)」H29.4.3月 日経新聞
③「育児応援企業の認定要件 残業上限を追加 厚労省」H29.2.10金 日経新聞
④「パナソニック違法残業で返上(女性活躍など3認定)」H29.4.13木 日経新聞(夕刊)

2017年04月27日|ブログのカテゴリー:育休