先般「AI」の具体例が新聞記事にはなかなか見当たらないということを書きました。
すこし探ってみますと…
「…人工知能(AI)に関する人材育成に向け…」「AIは工場での製造工程や在庫管理など業務の効率化へ期待がかかっている…」「…大学でもAIに関する技術が学べるようにし、AIの一段の普及につなげたい考えだ。」H29.4.13木 日経
これはAIの具体例ではなく、AIを開発する人材を育成する記事ですので、求めるものとはすこしちがいます。
「イオンは日本IBMのAIを導入したスマートフォンを全国2万人の従業員に配布する。社内向けコールセンターに問い合わせていた内容にAIが答える。」H29.5.15月 日経
これは先ほどの記事よりも、具体的なことが書かれていますが、これを読んで「これがAIの正体か!」と腹落ちせずに、ピンとこないのは、わたしだけでしょうか…
もうすこし詳しい記事があればよかったのですが、書かれていることから、自分の想像力を駆使して、すこし頑張ってみても…、ガイダンスに順番に応えていく、音声入力的なものしか思いつかなかったのですが、それだとすると少しがっかりですね…
残念ながら、めぼしい記事はこれぐらいでした…が…
AIについての具体的な記事がH29.9.1金に日経新聞に掲載されていました!
すこし読んでみましょう…
「日本マイクロソフト(MS)とエイベックス・グループ・ホールディングスは、人工知能(AI)を使ったコンサートの観客分析システムを開発した。」「ビデオカメラで撮影した観客の表情を常に分析し、満足度を数値化する。」
おおっ!これがAIか!
これを読んでわたしは「ザ・イロモネア」というお笑い番組を思い出しました。
ご存じない方のためにすこし「ザ・イロモネア」を解説しておきますと、とにかく芸人さんが笑いをとることに挑戦するのですが、その審査方法は観客席からランダムに選ばれた5人を、持ち時間内(たぶん1分ぐらい)の制限の中で、3人以上ぐらい(決勝のときは5人全員だったかな…?)を笑わせるというものでした。
観客席の5人は、ネタの間中ワイプ(小窓)で「ヌキ画面」で表示されていますので、笑ったかどうかは、テレビで視聴しているわたしにもわかるというものでした。
余談ですが、わたしは劇団ひとりのモノボケが大好きでした…
この「ザ・イロモネア」方式をAIでやろうというのが、この仕組みです。
「会場内のビデオカメラが撮影した映像からAIが来場者の表情を分析。「喜び」「驚き」「悲しみ」「嫌悪感」など8つの感情を常時記録する。」
まさにその通りのことが書いてあります。
この仕組み、観客席のみならず、駅などで使うと「東京新橋駅は、明るいうちは緊張感が強いが… 暗くなると、幸せ度が上昇しています!」などのビックデータとして使うと、マーケティングに利用できそうで、たいへん興味深いですね。
で…この仕組みいつ実用化されるのでしょうか。
「イベントの質の向上などに役立てるシステムとして2020年に実用化する計画。」
おそっ!
2020年って…3年後ですよ。
東京オリンピックの年ではないですか…
いまの産業界の喫緊の課題である人手不足や労働生産性の向上の実現とは「ほど」遠い印象です。
3年後ではなく、いま!いま!解決してほしい課題なのです!
やはり「AI」と言うよりも「ロボ」「IT」が現実的なのかもしれません。
今日の記事ネタまとめ
①「観客の表情で満足度測る(マイクロソフトなど AIで分析)」H29.9.1金 日経新聞
②「AI人材育成 産官学が連携(経産省などが協議体)」H29.4.13木 日経新聞
③「「ロボット」「AI」「IT」で効率化(日本電産やイオン)」H29.5.15月 日経新聞