先回までは、AIはさておき、①ロボと②ITの導入により、会社の就業構造が変わると、人材の入れ替え戦が起こり、チャンスをつかむひとがいる反面、そのひずみに取り残される人材の手当をしていくことが、会社全体の生産性向上には大切なことである!ということを、新聞記事から読み取れることをもとに、解説してきました。
一理はあるのですが…
理屈所詮!理屈にすぎません…
まだ誰も見たことのない未来のことですから、理屈だけで断定するのは、すこし無理があると思います。
わたしが三十年前に社会人になったころに「小型コンピュータが配備されると、ふくだ!よくきけよ!会社からは紙がなくなるのだ!」と未来を見てきたかのように、ブッていた上役がいましたが、そうなっていませんよね…
「小型コンピュータ」という言い方が、すごいでしょ!w
「小型コンピュータ」と語って、スマホ時代が来ることを想像していたとは思えないですよね~
もはや…その課長さん(当時)は、お年が70代半ばだと思いますが、お元気でしょうか…
それはさておき…
その後90年代には、PDFという便利で優れたペーパーレスツールが、アドビから無料配布されて浸透したにもかかわらず、相変わらず会社には「紙」がたくさん散らばっています。
ペーパーレスとは程遠い状態です。
理屈と現実はこのようにすこしずつ行き先を探りながらすすんでいくものだと思います。
その性質のことを考えに入れておかないと、後世にわたしのようなひとにブログネタにされかねません…(毒?)
では、その「現実」の方ですが、内閣府が「新技術が賃金や雇用に与える影響」について「新技術を導入済みか、導入を検討中の企業を対象として今年2~3月に実施し、2,327社から有効回答を得た」調査結果が、中日新聞の記事になっていましたので、ご紹介したいと思います。
これはファクトを集計したものではなく、見解を訊ねたアンケートですので、相場などで言うところの「気配」みたいなものですが、おおむねの傾向を知ることができます。
しかも「気配」は、理屈だけでなく気持ちや気分が入り込みますので、現実に近いと思われます!
この中でわたしが注目したのは「新技術導入による賃金への影響」は「増加する」と回答した割合(「大きく増加」1.4%と「増加する」29.5%の合計)と「減少する」と回答した割合(「大きく減少」0.1%と「減少する」5.8%の合計)についてです。
これを全部合計すると、増減は別にしてとにかく「影響がある」とした割合になります。
増えても「影響あり」、減っても「影響あり」ですからね。
そうすると!
「影響はない」とした割合と「影響がある」とした割合とほぼ同じ!ということになるのです。
すこし整理しますと…
“新技術の導入で、賃金には影響がありますか?”という問いに対して、
“影響があります!” =36.8%
“影響はありません!”=36.2%
ほぼ同率ですね。
では、雇用に与える影響はどうかいいますと…
“新技術の導入で、雇用には影響がありますか?”と訊かれたら…
“影響があります!” =47.5%
“影響はありません!”=30.5%
おおっ!“影響があります!”のほうがかなり多い!
これはどういうことを意味しているのでしょうか?
「賃金」への影響と「雇用」への影響の調査結果をクロスして考えると…
“新技術が導入されると、賃金が増えたり減ったりするかどうかは、よくわからないが… 会社で働く人の数は増えたり減ったりするかもしれない…”
このように言っているようにもみえます。
すこしむずかしいですが、もう一度よく考え見てくださいね!
「新技術を導入済みか、導入を検討中の企業」であっても、未来のことについての憶測には、慎重になっているようにみえます。
しかし…賃金よりも、雇用への影響があるのだと「気配」として感じているということには留意をする必要がありそうです。
「新技術を導入済みか、導入を検討中の企業」の約半数は“雇用に影響あり”として、意識をしているということです。
新技術と雇用はセットで考えるべしということかもしれません。
今日の記事ネタまとめ
①「新技術導入で「賃金増」3割(内閣府企業調査)」H29.8.18金 中日新聞