「懲戒」と言うのは「秩序罰」のひとつです。
つまり人が集まり組織になるということは秩序を守って、目的達成のために活動するわけですが、その「秩序」を乱す人は「こらっ!」となるわけです。
これが「懲戒」です。
具体的には「譴責」<「減給」<「出勤停止」<「解雇」という種類があります。
右に行くほど懲戒の深刻度が深くなります。
譴責=反省するように!はい…
減給=給料を減らす。よく反省するように!はい…
出勤停止=しばらく働かんでよろしい!じっくり反省するように!はい…
解雇=もう会社に来ないでください!そんな… ノーチャンスですか…
このようなイメージです。
いずれにしても「こらっ!」と懲戒するためには根拠が必要になります。
根拠なく「こらっ!」とするということは、自分だけの考えにもとづいて「こらっ!」と言うわけでして、自分(だけ)の(身勝手な)考えの押し付けになり、とても危険です。
「σ(゚∀゚ )オレ様がルールだ!」というイタイやつですよね…w
これがまかり通ったのは、封建時代の領主様までで、近代国家には「いない」「ありえない」ということになっていますので、ご注意ください…ね。
こういうときに、拠り所となるのが「就業規則」です。
したがって「就業規則」に書かれていない理由で「譴責」「減給」「出勤停止」「解雇」、つまり「懲戒」をすることはできません!
封建時代の領主様みたいなことは、できない、やってはいけないやつということですよね。
さらに「減給」に関しては、減らすことのできるお給料の上限が法律で決められています。
具体的には「一回の額が平均賃金の一日分の半額を…超えてはならない。」となっています。(労働基準法 第九十一条 制裁規定の制限)
ですから、この40代男性准教授に対する「減給」は限度一杯ということになります。
「そんな甘い処分でいいのか!」
そんな声が聞こえてきそうですが、それでいいのです!
人事マターと言うのは、それぞれの「譴責」や「減給」などに意味はありますが、それよりも積み重なることにさらに大きな意味と意義があります。
先般申し上げた「人事は公(おおやけ)の場にさらされることによって、一つひとつステップを刻んでいく性質がある」というのはそういう意味です。
時には一発レッドカードで懲戒解雇になってしまうケースがあるかもしれませんが、解雇というのは一度してしまうと、取り返しのつかない懲戒ですので、発動するときには、充分に慎重を期して判断しなければなりません。
そもそも懲戒と言うのは、秩序を取り戻すために行うものですから、将来にむかって二度とこのようなことが起こらないために「目印」をつけておくというように考えてもいいかもしれません。
サッカー的には「イエローカード」ですね。
この「イエローカード」たくさんため込みすぎると次の「赤い」カードに発展するのですよね。
「懲戒」も考え方は同じなのです。
今日の記事ネタまとめ
①「アカハラで准教授減給(名古屋大、学生に暴言)」H29.4.25火 日経新聞