家族を介護するために、仕事を休んだときには、お給料が出ない…。
働いていないので仕方がないといえば、それまでですが、たちまち生活費に困ってしまいます。そんなときには、国がお給料の3分の2(67%)を支給してくれます!
これは、雇用保険の介護休業給付のことですね。
昨年7月までは、お給料の40%でしたが、さらにたくさん支給されることに変更されました。
本当はお給料全額そのものではありませんが、まあそんな感じだと思います。
困っているときには、たいへんありがたい仕組みですね。実は雇用保険というのは、失業したときにもらうイメージが強いのですが、介護のときもカバーしてくれます。
しかしこれは最長3カ月で打ち切りになります…
その後は… 介護で休み続けるならば、会社からのお給料はありません…
働いていなので、残念ながらノーワーク ノーペイ です…
「そういうときのために、国の保険だけではなく、民間の保険をかけておきましょう!」というのが、4/11火の日経新聞の記事です。
介護休職期間を実に3年に延長するという、大和証券グループ本社の記事もありました。これは大和証券グループ本社ならではの特別な手当だと思います。でも、介護への対応は、時代の要請として、どこの会社にも特別なことではないのかもしれません。
この保険は三井住友海上の保険ですが、記事によると、保険料は月々1,040円程度で、介護休業となると月々20万円が9カ月間でるという感じです。
もしこの保険料を会社が負担するということであれば、従業員100人の場合、年間約125万円が必要ということになります。この125万円が高いか安いかは、よく検討してみないとわからないと思います。
介護による離職が減り、あたらしい人を採用しなくて済むなら、会社としては、無用の採用コストや教育コストを節約することができます。その節約が、年間125万円以上ならマルですよね。
また、保険商品の詳細は未確認ですが、保険金を損金とすることができれば、会社として、課税対象となる利益を圧縮することも期待できます。
介護が必要な従業員を手当てするということだけではなく、会社の事業と人事と会計を横断的に、よく検討する価値がありそうです。また、公的保険だけでなく民間保険との組み合わせを、積極的に検討する必要もでてきた、そんな時代がやってきた…と考えるべきかもしれません。
自動車保険の「強制保険」と「任意保険」みたいですね。
今日の記事ネタまとめ
①「介護休業中の給与補償(三井住友海上 下旬に新型保険)」H29.4.11火 日経新聞
②「介護休職3年に延長(大和証券グループ本社)」H29.3.9木 日経新聞