先日、会社は「職能給をさげる」ことはできませんが、例外的に「就業規則」に規定がある場合は「降格」という形で結果的に「職能給をさげる」ことができることがあるということについて解説しました。
すこし整理すると、「人事権」や「懲戒権」を発動するためには「就業規則」にあらかじめ規定がさだめられていることがポイントになるということです。
そうなのです!
すでにお気づきだと思いますが、かつて遊びの中で覚えた!
あの!法則です!
「後出しじゃんけん禁止の法則!」
この法則は、おとなになっても、社会人になっても、会社員になっても、社長になっても、いまだに有効だということです。
これを裏付けるような記事がありましたので、ご紹介します。
この記事は財政難を理由にボーナスを減額した学校法人青山学院(青山学院大などを運営する法人ですね。)が訴えられていたという記事です。
「??? 会社が儲からないから、ボーナス減らして、どうして訴えられるの??」
ともすると不思議ですよね。
もうすこし記事を読んでみましょう。
「一時金の支給額は就業規則に月数で明記されていたが、青山学院は2013年、財政難を理由に規定の削除と減額を組合に提案。合意がないまま規定を削除し、14年夏以降の一時金を減額した。」
まずは「一時金の支給額は就業規則に月数で明記されていた」という件(くだり)です。
よくある就業規則は「一時金は業績に応じて支給することがある」など、変動する含みが織り込まれていることが多いと思いますが、青山学院の場合あらかじめ「月数」を約束していたということになります。
つまり「じゃんけんの勝敗(月数)は確定していた」ということです!
一旦確定していたじゃんけんを覆すのは、相当ハードルが高いと思います。
(つづく)次回の更新は9月3日月曜日を予定しています。
今日の記事ネタまとめ
①「ボーナス減額分3.7億円支払いへ(青学、教職員と和解)」H29.4.22土 日経夕刊