サラリーマン時代はとても出張がたくさんありました。
私の会社での本籍は人事部のある名古屋でしたが、東京や大阪は隣町に行く感覚でした。
札幌(千歳)から大阪への航空便がなく、千歳から中部国際空港に降り、自宅のある愛知をスルーして、新幹線で名古屋から大阪に入ったときの新幹線のぞみ号は、もはや「通勤快速のぞみ」を超えて、羽田に降りた時の京急やモノレール、名古屋でいえば名鉄ミュースカイなど、いわば近郊線の私鉄にのるような気分がしたものでした。
しかし…
いくら心理的に近いといっても、名古屋から新大阪間で新幹線のぞみに乗っている時間だけで50分、東京⇒名古屋は100分(1時間40分)かかるわけです。
広報部門の仕事をしていたときは、新幹線の中で仕事をしていたこともありましたが、人事部に転属されてからは新幹線の中で仕事をしませんでした。
人事の仕事というのは個人の機微情報がとても身近にある仕事です。
それは頭ではわかっているのですが、そのうち慣れてきてなんともおもわない瞬間が続くことがありまして、そんな自分がすこしこわかったので、誰かに見られるおそれのある移動中に書類を広げて仕事をすることはしないことにしていました。
決意ではなく、行動を変えてみたということです。
とすると移動中は…
往路はまさかビールというわけにはいきませんので… 本を読むか、スマホを見るか、音楽を聴くか、ボーとするか、居眠りをするか…ということになってしまいます。
これは働いているといえるでしょうか?
まあ実態としては、働いてないでしょうね。
しかし、働く準備をしている時間と考えると「働いている…」ともいえる微妙な時間です。
管理職だったということもあり、正直あまりつきつめて考えることをしませんでしたが、日経新聞に「仮眠時間は労働時間」という見出しを見つけて、すぐに喰いついてしまいました…
訴えた人はイオングループの警備会社の人です。
記事の一部を読んでみましょう。
「24時間連続の勤務があり、その際は未明に4~5時間の仮眠時間が定められていた。男性側は「仮眠時間内は外出も認められず、会社は従業員に警備態勢の継続を求めていた」と主張していた。」
この主張が通ったということです。
つまり判決で「仮眠時間は労働時間」であるとされたということです。
「やった…!」
(ちいさくガッツポーズ…)
私のサラリーマン時代の移動中の居眠りが追認されたような気分になっているのですが、果たしてそれでよいのでしょうか。
(つづく)次の更新は、8月25日金です!
今日の記事ネタまとめ
①「警備中の仮眠は労働時間(地裁、賃金支払い命じる)」H29.5.18木 日経新聞