「弁当チェーン「ほっともっと」の店長は「管理監督者」ではありませんでした!」という記事です。
「なんやて!」となりますよね。
昇進したとばかり思っていた…
会社に認められたとばかり思っていた…
それなのに…
「おまえの昇進はみせかけだけだ!」
「世間では通用しない昇進だ!」と「ディス」られた…
しかも裁判で「判決」された…こと。
すこし重い感じです。
これに似た判決は実はすでにありまして…
平成20年1月28日東京地裁判決の日本マクドナルド割増賃金請求事件(通称:マクドナルド名ばかり管理職事件)です。
地方裁判所の裁判例にもかかわらず社労士試験にも出題された有名な判決です。
ほっともっとの記事でも、会社側は「就業規則で店長職を管理監督者に定めていることを理由に、割増賃金の支払い義務はないと反論していた」とのことですが、主張は通らなかったみたいです。
さきの「マクドナルド」の判決で「管理監督者」かどうかは「実態」で判断するという考えが定着してきていたからだと思います。
記事を読み進めると、
「従業員の採用やメニューの考案に関する店長の権限が限定的だったこと、予定通り休むことができず勤務に制約があったことなどを挙げ「管理監督者であったと認めることはできない」と判断。過去の勤務記録に基づき残業代などを算出した。」となっています。
さきにわたしが課長に昇進したときの気持ちを記したように、管理監督者への昇格は社員のやる気を引き出す大いなる仕組みです。
その一方で「管理監督者」が「名ばかり」となっていると、訴えられる危険性があるということです。
課長=管理監督者の方程式がもはや過去のものになっている可能性があります。
昇進の誉れと仕事の実情を長らくノーチェックのままにしている会社はたくさんあると思います。
昇進した!ことが、実体のない偽物だったと知らされた本人は、がっかりすると思いますし、ばかにされたと感じることもあると思います。
浮世の名誉を晴らすための怨念は、会社が思うよりも深いのかもしれません…
すべてをひっくりかえして、刷新する必要までひとときにやるのはたいへんですが、時代や環境に合わせて、仕組みを考えて改定施行していくことは、会社がリスクを回避するだけではなく、継続し繁栄していくためには大切なことだと思います。
今日の記事ネタまとめ
①「元店長の残業代認める(静岡地裁「ほっともっと」訴訟)」H29.2.18土 中日新聞