[040] 賃金の記事が読める!… ① ⒶⒷⒸ vs ⒹⒺⒻ Ⅰ

前回と前々回でお給料記事を読むための整理のコツを解説しました。
それらを表にしたものが、下の図です。マトリックスなんてかっこつけて読んだりもしますよね。私もサラリーマン時代は、よく横文字を使って「けむ」に巻いていましたが、表は表ですよね。


さて、お給料に関する新聞記事はたいてい、このⒶからⒷⒸ、すこし間をおいて…ⒹⒺⒻのいずれかの話題をしています。

では、ごちゃごちゃいわずに実際の新聞記事を読んでみましょう!

「厚生労働省が9日発表した3月の毎月勤労統計調査(速報値、従業員5人以上)によると、1人あたりの名目賃金にあたる現金給与総額は27万7512円と、前年同月比で0.4%減少した。」
(給与総額10カ月ぶり減 H29.5.9火 日経夕刊)

まずこの記事では「フルタイム」であるとも「パート」であるとも言っていません。
また「現金給与総額」は、文字通り「給与」のことですので、「給与」=給料+残業+ボーナスの公式を思い出せば「はは~ん」ですよね!

そうです!
ⒶからⒻまで全部足して、人数で割った「金額」が減少した。
「0.4%減少した」と言っているのです。

さらに減少や増加は、なにかとくらべて減少増加すると言っていることに注意してください。
この記事では「前年同月」に比べて0.4%減少したと言っています。

またみなさんの一人一人のお給料が「前年同月」に比べて直ちに「0.4%減少した」と言っているわけではないことにも留意しましょう。

まったく個人のお給料と無関係ではありませんが、日本全体のお給料の合計が、フルタイムもパートタイムもぜーんぶひっくるめて0.4%ほど減少したということです。

つまり日本全国のお勤め人の方々の3月のお財布の中身の総額が、昨年にくらべて0.4%さみしい→買い控える→物が売れない→景気が上昇しない…という景気的に「まずい」絵になるという日本経済についての記事です。

「なんだ…」と思う向きもありますが、ではこの部分はどうでしょうか。

「正社員の基本給が弱含み、残業代なども大きく減った。」

これは先の「表」に立ちもどると、

「正社員の基本給」=Ⓐ
「正社員の残業代」=Ⓑ

のことを言っています。

この記事には直接の言及はありませんが、Ⓐが「弱含み」なのは、パートを正社員化したが、正社員ほど給与が高くなく、全体の賃金をじんわり引き下げる方向に働いたといいたいのかもしれません。またⒷが「大きく減った」のも同様に正社員化したパートが、いきなり残業フル回転をしなかったからかもしれません。

「そうか… 会社のパートさん、正社員になったことよろんでたよな…」
「正社員になったからって、いきなり給料が跳ね上がるってことはないはずだよな…」

そうなのです!その感覚のことが、記事になっているのです!

このようなことを考えて世の中全体の流れと、自らの会社の動向の接点を新聞記事にみつけることは、たくさんあると思います。

具体的な減少率については、下記のように記事になっていました。

「名目賃金の内訳をみると、基本給を示す所定内給与が前年同月に比べて0.1%減った。残業代にあたる所定外給与は1.7%減」

この「基本給」は… Ⓐのみなのか、Ⓐ+Ⓓなのか、「残業代」がⒷのみなのか、Ⓑ+Ⓔなのかがはっきりしないことが(たぶん後者だと思いますが)少し残念ですが、「日本全体としたら、そうなっているのか…」と理解する!という視点では、有益な記事だと思います。

今日の記事ネタまとめ

①「給与総額10カ月ぶり減(3月、実質賃金も減 賃上げ広がり欠く)」H29.5.9火 日経夕刊 

2017年07月14日|ブログのカテゴリー:賃金(基本給 手当 賞与)