ズバリ!
“生産性”の計算式は、次の通りです。
いまひとつピンときませんよね。
「生産性」という言葉は、文字通りポジティブな言葉なので、会社では積極的に使われているので、なおさらピンとこないのだと思います。「はやりのことば」なので、つい口にしてしまうこともあるのかもしれませんが、普段使いの「生産性」は、この計算式とはすこしことなるのではないでしょうか。
たとえば…
(A社長)「工場の生産性をあげないかんな…」
(B先輩)「こんなに遅くまで仕事をしていると生産性が落ちてしまうよ…」
(C主任)「部長はゴルフ接待ばかりで、会社の生産性をどう思っているのだろう…」
こんな感じでしょうか。
ここで語られている「生産性」は、本当に“生産性”そのものなのでしょうか?
工場では「生産効率(生産数/投入時間)」として語られている。
残業続きの開発部では「業務効率(仕事量/投入時間)」として語られている。
営業部では「人件費あたり売上(売上総額/営業部要員人件費)」として語られている。
このように語られる文脈で意味がたしかに異なっています。
「はやりのことば」には、よくあることです。
わたしがサラリーマンだった会社にも「生産性向上推進部」という部署がありました。なんだか得体がしれない… 感じがしていたのは、“生産性”の定義がはっきりしなかったからだと思います。そのうち消えてなくなりましたが…
むかしばなしは、さておき…
このようにいろいろな解釈でつかわれている“生産性”ですが、おおくの場合、売上や利益に関連した言葉だと理解されているのではないでしょうか。
“生産性”ですから、結局会社が生み出す「営業利益」が無関係なわけはありません。
「動産・不動産の賃貸料」も同様ですよね。会社の資産が利益を生み出しているのですから、これもまた“生産性”に関連することは間違いありません。
では…
「人件費」はどうでしょうか?
「人件費」は「経費」の印象がとても強く、実務的にも「経費」の性質が強いと思います。でも“生産性”の計算においては「稼いだマネーで人件費が払えた!」と考えてください。
ここ… わからなくなるポイントです!
すこし頑張ってください!
たとえば…
会社創業時には、社長が裸一貫!手弁当で会社を始めるのですよね。そして資本金や借金などを上手に使って、稼ぎ出したお金の中から社長はご自分の「報酬」を得るのですよね。
会社が「社長」ひとりではなくなり、「社員」を雇えるようになると、稼ぎだしたお金のなかから「報酬」と社員の「お給料」を払えるようになるのですよね。
そして… いつのまにかそれが当たり前になると…
「お給料」は「人件費」と呼ばれるようになります。
そうなんです!
「人件費」はもともと「稼ぎ出したお金」のなかから支払えた!ということです!
そう考えると「減価償却費」は、高価なものを買ったローンの年払いのようなものですから、やはり「稼ぎ出したお金」の中からローンを支払えた!お金なのですよね。
「租税公課」は税金ですよね。税金の種類はいろいろありますが、原則としては「稼ぎ出したお金」の中から税金を払うのですよね。
これらは、いまは「人件費」や「減価償却費」や「租税公課」という名前になっていますが、もともとは「稼ぎ出したお金」という財布から出したお金です。
なので…「営業利益」や「賃借料」と合計して、もともとの「稼ぎ出したお金」の総額を「働いた人」の数で割ったものが “生産性”ということです。
「働いた人」ひとりが「稼ぎ出したお金」ということができます。
この「稼ぎ出したお金」のことを「付加価値」と言うこともあります。
この“生産性”の数字は、「生産効率(生産数/投入時間)」でも、「業務効率(仕事量/投入時間)」でも、「人件費あたり売上(売上総額/営業部要員人件費)」でもありませんよね。
そして、この“生産性”こそが、オフィシャルな数字ということです。
すこしむずかしいのですが、ぜひ乗り越えて、自分のものにしてください。
これからはこの数字がさらに幅を利かせてくると思います。
特に助成金の支給を目指す場合、この数字の理解は必ず必要になります。
まあまあ会社経営上は普通の数字ですので、なにをいまさらとお叱りをうけるかもしれませんが…
あえて解説してみました。