「政府は15日、希望する高年齢者が70歳まで働けるようにするための高年齢者雇用安定法改正案の骨格を発表した。… 70歳まで定年を延長するだけでなく、他企業への再就職の実現や企業支援も促す。企業は努力義務として取り組まなければならなくなる。」R1.5.16木 日経1面
70歳まで雇ってくれる!
ついにそんな時代がやってきたか…
そんな思いで新聞記事を読んでいましたが、実は厚生労働省が集計している「高年齢者の雇用状況」(平成29年版)によると70歳まで雇ってくれる企業の割合は22.6%「既にある」のです。
5社に1社程度は、すでに法改正を先取りしているということになります。
統計をもう少しよく読んでみると、中小企業の割合が23.4%、大企業の割合が15.4%ということになっています。
おおくの施策は大企業が率先して実施をして、大企業の導入割合が高いことが多いのですが、この件に関しては逆転現象が起きているようです。
中小企業庁の統計によれば、0.3%の大企業に約30%程度の人が働いているとなっていますので、より多くの高年齢者が働くためには、どうしても大企業で働く30%の人たちの雇用を確保しなければならないということなのです。
大企業の高齢者雇用を促進するための法改正でもあると思われます。
シニアにとっては朗報ですよね…
では現在何歳の人からこの恩恵にあずかれるのでしょうか?
この日経1面の親記事とは別に「高年齢者雇用安定法」の歴史が、3面の「きょうのことば」に掲載されていました。
大変興味深く読みましたので、抜粋しておきたいと思います。
アーチ形の矢印をつけたのはわたしですが、これは「努力義務」となってから「義務化」されるまでの年数を表しています。
60歳定年が完全に義務化されるまでに12年。
65歳までの雇用が限定なく義務化されるまでに13年かかっています。
このようなスピード感を前提とすると、このたびの70歳までの雇用が義務化されるまでに、早くて12年くらいかかると推察できるのかもしれません。
「改正案は20年の通常国会に提出する。」同記事
20年を起点に義務化までの道のりを予測してみましょう!
今年の4月に施行になった働き方関連法案の場合、2018年6月29日に参議院本会議で賛成多数で成立しました。
成立から施行まで、9か月ということです。
この例を参考にすると、70歳雇用法改正案が2020年の通常国会に提出され、首尾よく成立したとして、施行は最短スケジュールで、2021年の4月ごろです。
※ちなみに成立➡施行までの間には、奏上や公布などのステップがあるのですが、成立から施行まで2年程度かかる法律が多いようです。働き方関連法案は成立から施行までが早い法律の部類になると思われます。
2021年4月の努力義務施行から義務化されるまで12年とすると…
義務化は2033年4月という計算になります。
70歳雇用義務化の恩恵?にあずかれるのは、改正法が施行されたときに65歳に達していない人ですから、2033年に64歳以下の人ということです。
2033年に64歳以下の人は…
現在(2019年)に50歳以下の人ということになります。
つまり、過去のスピード感で予測をすると、会社勤めで法律的に70歳まで働くことができるようになる人は、現在50歳以下の人ということです。
現在51歳以上の人は…
残念ながら?会社勤めは最長65歳を前提に作戦を練るのが現実的かもしれません。
むろん努力義務から義務化までのリードタイムが短縮されれば、この限りではありませんが…
作戦を立てるか?義務化を待つか?
それはあなた次第なのですが…
晩年をどう過ごすかは、UFOや超常現象と同じと思えませんので…草www