[233] 三菱UFJ銀が男性育休義務化 1カ月、メガバンク初(日経新聞)

三菱UFJ銀行は、二歳未満の子供を持つすべての男性行員に、約1カ月の育児休業の取得を事実上義務付ける制度を五月から始める。」H31.4.19金 日経3面 総合

銀行業界は、新卒採用を半分程度に減らすなど、厳しい環境を乗り越えようとしていることは、たびたび新聞記事になっていますし、みん新でも解説をしました。

その銀行が、男性に育休を義務付けて約1カ月休ませる!のは、厳しい環境を乗り越えようとしている出鼻をくじくような印象があります。

しかしながら…

メガバンクのやることですから、意図が必ずあるはずです。

本当の?狙いはどこにあるのでしょう…

UFJ関連の記事を振り返ってみましょう。

“三菱UFJ 苦肉のベア” H31.3.27水 日経7面 金融経済
三菱UFJ銀行の今春の労使交渉が1%のベースアップ(ベア)で妥結する見通しになった。労働組合の要求(0.5%)を超える回答は極めて異例だ。先行きの見通しが決して明るくないなかで、なぜ要求の倍となる回答なのか。裏側には従業員の減員と構造改革を同時に進めるメガバンクの苦悩がある。

春季労使交渉(春闘)は、労組の要求ラインを経営側の回答が「満額回答」になるのか「未達回答」になるのかで、しのぎを削るのが普通です。

経営側が労組の要求ラインの「倍」の回答をするのは、確かに「異例」です。

「大手銀行はいいよな…」とのん気な感想を述べている場合ではありません‼

ここにもなんらかの意図があるはずだと思います。

再び “三菱UFJ銀が男性育休義務化” の記事を読んでみましょう。

上司は部下が計画通りに育休をとれるよう、職場での仕事配分などを調整する。部下が育休を取れいるかどうかを上司の人事評価の対象とし、制度利用を促す。」H31.4.19金 日経3面 総合

お給料は「倍」回答をしたうえで、男性に育休を取らせる。

男性に育休を取らせていない上司にはバッテン(×)がつく…

三菱UFJ銀全体では2023年度末まで6500人が自然減で減少。その間、業務量の削減は3000人分となる。」H31.3.27水 日経7 金融経済

業務量は減らないのに、行員数は減少していく…

さらに…男性に育休をとらせる…

これはもはや…

仕事のやり方を根本的に洗い替えをする必要があると思います。

三菱UFJの新制度は、十営業日の短期の育児休業と、通常の有給休暇などを合わせて約一カ月の長期育休を促す仕組み。」H31.4.19金 日経3面 総合

仕事の洗い替えを、一カ月程度の期間でまずはトライアルをせよ‼と会社が上司に命令しているように読めるのです‼

上司としては、顔色が少し青くなっているのではないでしょうか。

なぜならもっともリスクを抱えるのは「上司」だからです‼

生産性向上とは、ザックリいうと、売上÷人数(投入時間)です。

生産性向上第1幕は、分子(売上)を伸ばすことではなく… 分母(人数)を減らすことから着手される… そしてその重責は「上司」が背負うことになる…

「上司」さんは、すこし頑張らなければいけません…

厚生労働省の国内調査では、17年度に育休を取得した男性従業員の比率は5.14%。政府は20年度までに13%にする目標を掲げている。」同記事

統計的にはH24年度までは、おおむね1%台だった男性の育休取得率は、平成28年度に3.16%、平成29年度に5.14%と、この数年で上昇の動きがあります。

今後も注目の数字になりそうです。


2019年05月07日