「内閣府は29日、自宅に半年以上閉じこもっている『ひきこもり』の40~64歳が、全国で推計61万3千人いるとの調査結果を発表した。」H31.3.29金 日経夕刊12面 社会
総務省の労働力調査によると「就業者数=6,656万人」「完全失業者=156万人」です。
これら両者を足した数が「労働力人口 = 6,812万人」ということになります。
この記事で言うところの「ひきこもり」が果たして「労働力人口」の中に含まれているのかは疑問です。
なぜなら「労働力人口」=「就業者」+「完全失業者」だからです。
「ひきこもり」が「就業者」と考えにくいとすると…「完全失業者」ということになります。
「完全失業者」とは「働く意思と能力をもち、求職活動を行っていながら、就職の機会を得られない者」(デジタル大辞泉)です。
「ひきこもり」の人が「求職活動を行って」いるとは、あまり思えません。
「内閣府はひきこもりを、自室や家からほとんど出ない状態に加え、趣味の用事や近所のコンビニ以外に外出しない状態が6か月以上続く場合と定義。」同記事
内閣府の定義の中には求職活動のことには触れていませんが、この表現から仕事探しをしているようなイメージはできません…
このように考えると「ひきこもり」は「非労働力人口=4,267万人」のなかに含まれていると考えるのが妥当のようです。
非労働力人口とは「労働能力はあってもその意思を持たない者=主婦、学生など」(A)+「労働能力をもたない者=病弱者、老齢者など」(B)を意味しますが「ひきこもり」が(A)に該当するのか(B)に該当するのかは、よくわかりません。
先ほどの内閣府の定義では「趣味の用事」では「外出」すると記されていますので(A)に該当する可能性が高いような気がします。
趣味の用事では外出できるのに、働く意思のない「ひきこもり」とは… なにがあったのだろうと個人的には感じます。
しかも…この「ひきこもり」の「7割以上が男性」ということらしく、
男性の会社依存度が高いと読み取ることもできます。
61万人をカウントした対象が「40歳から64歳」ですので、ちょうど会社依存度が上昇する年齢層だと言えます。
「調査時期の違いなどはあるものの、内閣府では15歳~39歳も合わせた引きこもりの総数は100万人を超えるとみている。」同記事
平成30年10月末現在の外国人労働者数は146万人です。
外国人労働者が「ひきこもり」の100万人の穴?を埋めているような形にも見えます…
いずれにせよ「ひきこもり=100万人」となると「非労働力人口=4,267万人」の2.3%を占める(100万人 ÷ 4,267万人=2.3%)ことになります。
「根本匠厚生労働相は29日の記者会見で … 『大人のひきこもりは新しい社会的問題だ。さまざまな検討、分析を加えて適切に対応していくべき課題だ』と述べた。」同記事
先ほどの2.3%の割合を見る限り、根本さんのおっしゃる通りだと思います。
いまや「ひきこもり」は国政の課題になっているということです‼
国政レベルとなると、もはや個人的にどのような対応をしていけばよいのかはわかりませんが…