[227] 受動喫煙対策求人に明示義務 厚労省(日経新聞)

 

厚生労働省は企業が従業員を募集する際に、講じている受動喫煙対策の状況を明示するよう義務付ける。」H31.3.28木 日経5面 経済

小さな記事ですが、会社の実務的には必ず留意しなくてはならないことですので、

とても重要な記事です。

わたしが社会人になったのは、いまから32年前の昭和62年(1987年)4月でした。

神戸の本社と大阪の工場で研修を受けた後、名古屋支店に配属になりました。

赴任したわたしのデスクの上には、新人にもかかわらず、当然のように銀色の灰皿が置かれていました。

現実的に、職場で喫煙しない社員の方が少数派でした。

あるときその少数派の一人が、受動喫煙について嫌煙権を持ち出して抗議をしたとこがありました。たちまち支店中が嫌な空気で凍り付いてしまいましたが、ある課長が”秀逸発言”をして、その場を凌ぎました…

「煙草を買わずに、煙草が吸えるええ会社やないか‼」

神戸本社の会社でしたので、名古屋支店でも基本のアクセントは関西弁です。

よどんだ空気は、一気に笑いの圧力に押し流され、何事もなかったように、仕事が再開された光景を、わたしはいまでもよく覚えています。多くの人は、あたらしい煙草に火をつけていました。

これが32年後の現在だったとしたら“秀逸発言”ではすまされません…

訴訟など労務リスクに直結する可能性が高い発言だからです。

この背景には喫煙率の低下があります。

定量的に確かめてみますと、先ほどのエピソードがあった昭和62年では20歳以上の全年齢の喫煙率は、

男性=61.6% 女性=13.4% です。

平成30年では、

男性=27.8% 女性= 8.7% です。

昭和62年では半数以上の男性が喫煙していたのに対して、平成30年では喫煙する男性は4人に1人程度になっているという統計です。(JTによる2018年全国喫煙率調査)

「喫煙党」といういう政党があったとしたら「昭和の頃は圧倒的過半数だったのになあ~」と野党にくだった繰り言をいっている頃でしょうね…

いつの世でも「多数派」の意見は強い‼のです。

昭和62年には多数派だった喫煙者が、いまや小数派になっていますので、発言力も弱まっているということになります。


改正健康増進法の全面施行に合わせ、2020年4月から適用する。」同記事

来年の4月からは求人を出す時に「受講喫煙対策の明示」に留意する必要があります。

『屋内禁煙』『喫煙可』『屋内原則禁煙(喫煙室あり)』といったルールを記載する。」同記事

う~ん

これらの具体例が、すべて喫煙を前提にしているところが個人的にはたいへん気になります。

さらに…

これは端緒にすぎず「喫煙時間は労働時間たるか?」論争が再燃(炎上?)する可能性があるかもしれないと、個人的には思っています。

いまや圧倒的多数の与党は「非喫煙党」だからですで草…

2019年04月09日