[212] 女性就業率 5割超す (日経新聞)

2018年の女性の就業率が全年齢ベースで51.3%となり、50年ぶりに5割を超えたことが総務省が1日に発表した労働力調査で分かった。」H31.2.2土 日経新聞3面 総合2

いわゆるM字カーブが徐々に緩和されて「ついに‼」50年ぶりに5割を超えた‼ということです。

わたしはそのポイントもさることながら…

50年前には女性の就業率が50%以上あったということの方が衝撃的でした。

50年前は農業や自営業など家業で働く女性が多く、就業率も高かった。」同記事

なるほど…

つまり女性の就業率が5割以下の状況が50年にわたり続いてきた背景には、産業構造のあり様が深くかかわっていたということです。

18年平均の就業者数は男女合わせて6664万人。比較可能な1953年以降で最多だった。」同記事

産業構造について深掘りするために、

「就業者」という言葉に注目です‼

「就業者」とは「とにかく失業せずに働いている人」という意味で「お勤め人」もわたしのような「自由業」や「自営業」もここに含まれます。

それに対して、

「雇用者」とは「だれかに雇われている人」という意味です。

「お勤め人」とも呼ばれる人で「正社員」も「パート」も「派遣」も「アルバイト」もここに含まれます。

この分類を前提にして、どうして「就業者」が増えたのかと申し上げますと…

「雇用者」が増えているからなのです。

就業者を従業上の地位別にみると、雇用者は2018年平均で5936万人と、前年に比べ117万人の増加(9年連続の増加)となった。」労働力調査(基本集計)平成30年(2018年)平均(速報)P8

「お勤め人」はグイグイ増えているのに対して、わたしのような自由業や自営業主はあまり増える気配がないというのが、現在の産業構造だということです。

では…

どのような「お勤め人」(雇用者)が増えているのでしょうか。

短時間勤務や未経験者を容認するなど人手不足でアルバイトの就労条件が良くなっていることが背景にある。」同記事

つまり女性の就業率は、雇用者となることにより50%を突破したが、パートやアルバイトでの雇用者である可能性が高いということになります。

日本生産性本部の調査では、労働者が生み出す付加価値を示す労働生産性を就業者1人当たりでみると、15~17年平均の上昇率は物価変動の影響を除いて0.3%と、10~14年平均の0.6%から低下している。」同記事


生産性の算出の式は「稼ぎ出したお金÷働いた人の数」ですから、働く時間の短いパートやアルバイトが働いても一人は一人としてカウントしますので、売り上げが少し上がったぐらいでは生産性が向上しないというようなことも起こりえるということです。

現在はそのような状況に近いということです。

経済協力開発機構(OECD)によると、日本で労働者1人あたりが生み出す付加価値である『生産性』は約830万円。OECD35か国中21位にとどまる。」H31.2.4月 日経2面 総合・経済

女性の就業率50%突破は生産性の観点からは、一里塚にすぎない通過点であり、ここから頑張るべきスタートラインというところでしょうか。

2019年02月14日