[186] コンビニ収納代行拡大 現金派 若年層に根強く(日経新聞)

政府や金融界が現金の要らないキャッシュレス化を進めるなか、現金派の若年層らが根強く存在する実態が浮かぶ。」H30.10.31水 日経7面 金融経済

これはコンビニで公共料金やネット通販の代金を支払うことを「収納代行」と言いますが、

「収納代行」の増加を支えているのが「若者」(若年層)だというのです!

わたしはこの記事を読んだときに「思い込みはいかんな…」ととても反省しました。若者はデジタルが大好きで、当然デジタル決済も大好きなのだとどこかで決めつけていたように思います。

あくまでもわたしの個人的な推測ですが、今現在「政府や金融界」で「キャッシュレス化を進め」ているのは、私のような50歳代の人たちで、つまりバブル世代です。

それに対して、いまの若者(若年層)はアフターバブルの「失われた20年」を生きてきた(生きている)世代だということです。

そもそも根底の文化が違うのです!

若者はスマホやゲームなどのデバイスが生まれた時から存在しているので、デジタルネイティブなどと呼ばれることもありますが、だからといってデジタル決済が大好きかというとそうではない!ということです!(おじさんは、デジタルリテラシーが低くても、金色やプラチナ色のクレジットカードを使いたがる人が多いように思います…)

ここはよく理解しておくべきポイントです!

若年層を中心とした現金払いへのこだわりがコンビニ収納の市場拡大を支えている。「クレジットカードの利用を避けたがる人が目立つ」。三井住友銀行決済企画部の山岸誠司氏はいう。「カードを使いすぎないように利用額を月4万~5万円に抑えている」(20代女性)。こんな堅実な消費行動が底流にあるようだ。」同記事

ところがコンビニなどでの収納では、わたしのようなバブル50代はプリントアウトされた紙を持っていくのが「あたりまえ」と思っているのですが、失われた20年の若者はプリントアウトされた紙ではなく、スマホ画面に表示されたバーコートを差し出すというわけです。

若者はデジタル決済には慎重だが、デジタル機器は使いこなす!

この行動様式をよく理解する必要がありそうです。

NECと三井住友銀が立ち上げたブリーズコーポレーションは、払込票の情報を44ケタの高精密なバーコードに帰る技術を開発。利用者は商品の購入時にこのサービスを選ぶと、スマホのアプリにバーコードが届き、コンビニで読み取ってもらえば現金で支払える。」同記事

わたしはネット通販などの決済はとんどクレジットカード決済を行いますが、クレジットカードと言うのはつくるのは確かに簡単ですが、上手に維持するのはなかなか難しいのがクレジットカードだと思います。それなりの収入や蓄えがなければ「破綻」してしまう可能性が常にある仕組みだからです。

そのあたりに若者は敏感で「やばい」後払いの仕組みのクレジット決済に慎重になっているということだと思います。

日本通信販売協会の調べでは、17年に通販代金の支払い手段で最も多かったのがクレジットカードの63%で、コンビニでの現金払いは44%と続いた。」同記事

若者の現金志向とデジタル決済に慎重な行動とデジタルデバイスに対するハードルの低さを総合的に考えると「給与前払い」がなぜ若者に受け入れられているのかがわかるような気がします。

「給与前払い」というのはフィンテックの技術は利用しますが、結局のところ「現金」志向であるということだと思います。

新しい技術や仕組みを会社の制度の中に具体的に取り込んでいくのが、わたくし社労士の仕事だと思いますが、実際に会社と従業員ともに利便性に優れ、無駄な労力を省く制度に仕上げていくためには、デジタル系をひとくくりにしてしまうのではなく、よくその実態を見極める必要がありそうです。

2018年11月08日