[182] 業績回復握る「黒い吉野家」客数・単価引き上げ狙う(日経新聞)

3~8月の「吉野屋」の売上高は新規開店分を含む全体で7%増えた。しかし、既存店だけの比較だと4%増にとどまる。」H30.9.28金 日経14面 企業2

先日このような記事を紹介しつつ、「人件費」や「原価(米産牛肉)」の価格上昇が利益を出すための負担になっているという、既存店に立脚した解説をしました。

見出しの「黒い吉野家」とは既存店はなく「新規開店」する吉牛のことです。

先日の記事からもわかる通り「新規開店」したお店は好調なのです。その理由のひとつが「黒い吉野家」にあるということらしいのです。

『黒い吉野家』と呼ばれる新型店は、前払いでセルフ式。時間を気にせずにとどまれるので、滞在時間が伸びファミリーレストランのようにドリンクバーの注文にもつながっている。」H30.9.26水 日経17面 投資経済


現在のところ牛丼御三家の中では松屋さんだけが「前払い」の仕組みになっています。松屋さんでは自動販売機で食券を購入して、半券をたぶんパートのお姉さんなどに手渡すと、ほどなく注文した牛丼(たまごみそしる)が配膳されるという仕組みになっています。

この自動販売機はタッチパネル式になっていますので、機械に弱い?シニアさんがまごまごしている後ろでイライラしている兄さんの姿を何度も目撃したことがあります。

こういう時シニアの姉さんは、何のためらいもなく、後ろの兄さんに使い方を尋ねてことなき?を得るのですが、私も含めて男というのは…なんでも自分で解決しようとして、まわりに迷惑をかける傾向があるように、個人的には思います。

まごまごシニアさんは、年齢的にはわたしと10歳も違わない年頃だと思いますので「他山の石」としてわたしも気を付けたいと思います。

さて…閑話休題です。

つまり「黒い吉野家」では松屋みたく「前払い」にする!ということを言っています。

「前払い」吉牛ということは「松屋」的世界観に転換するのか‼と、サークルKがファミリーマートになったときのように「驚愕」しているのは私ぐらいだと思いますが、単純なところでも「黒い吉野家」で松屋式のタッチパネルが導入されるとすると、シニアの兄さん方々はタッチパネルリテラシーをつける必要がありそうです。

SiriやCortanaのようなAI音声が誘導してくれると都合がいいかもしれまんが、慣れるとタッチパネルの方が、早くて都合がよいと思います。(ペッパー君としゃべっているとときどきイラっとすることが個人的にはありますので…)

かたや「ファミリーレストランのように」とも書いてありますが「前払」の「ファミレス」には私はまだであったことがありません。

「黒い吉野家」とはなんだろう?と考えながらこの記事を読んでみると、イオンなどによくある「フードコート」とスキームがとてもよく似ているように思います。

確かに「フードコート」は「前払い」ですし「滞在時間も長い」という特徴があります。既存店の吉野家ではベビーカーを押して入店するママはあまり見かけたことがありませんが、フードコートでは普通に見かける光景です。

吉野屋はフードコート化を狙っているのかもしれません。

マーケティングの教科書には売り上げを上げる方法は3つしかない‼と書いてあります。

① お客様の数を増やす(新規開拓をする)
② 商品の値段をあげる(値上げをする)
③ リピーターを増やす(ファンを増やす)

この度の吉野家さんは②値上げの戦略は選択しなかったわけですから、残すは①と③しかないわけです。

「黒い吉野家」がフードコート的になるとすると、ベビーカーママが増えることを目論むころができるので①はOK。

「いい場所あるから、またおしゃべりしましょ‼」

このようになると③もOKということになります。

いちよし経済研究所の鮫島誠一郎主任研究員は新型店へのチャレンジを評価しつつも、新しい店ならではの課題を指摘している。『食事を提供するスピードを早くするためのメニューの絞り込みと、厨房の機械化が必要』という。」同記事

ほんとかな?個人的にはスピードの問題よりも駐車場の整備だと思いますが…

これは地方の発想かもしれません。

男性好みのイメージを覆す店づくりが、株式市場の評価を取り返す条件になっている。」同記事

ここはたしかに‼同感です。

2018年10月25日