[144] 改正!確定拠出年金法(H30.5.1施行)

確定拠出年金の法律が今年(H30)の5月1日から改正されました。

そもそも確定拠出年金とは「国民年金や厚生年金に上乗せする私的年金の一つ。」とH30.6.17水の日経新聞7面(金融経済)に書いてありますが、いまひとつピンときません。特に中小企業の経営者の方々に「確定拠出年金」という言葉は、わたしの経験上残念ながらほとんど届きません…。

「年金とゆーたら年とったらもらうやつやろ」

「そんなもん勤め人はよーけもらいよって、わしなんかあらへんわ!」

「年金ゆーたらそのうちもらわれへんようになるのやろ」

まあこんな言葉を返してくる人は、それなりに「年金」に関心のある人で直感的には2割ぐらいの人だと思います。それ以外は「年金」という言葉に関心を持つことなくスルー!というのがよくある光景です。

そもそもの「年金」の解説をしたいと思うのですが、先ほどの記事の一部をよーくご覧ください!

国民年金や厚生年金に上乗せする私的年金の一つ。

専門家のわたしから見ても、ほれぼれする!見事な!かきっぷりなのです!

すこし解説しますと「確定拠出年金 = 私的年金」だと言っています。ということは「国民年金や厚生年金 ≠ 私的年金」つまり「国民年金や厚生年金=公的年金」だと言っていることになります。

社労士として補足をしますと「公的年金」は一定の条件さえ満たせば一生もらえる国からのお金という意味であるのに対して「私的年金」は個人的にコツコツ蓄えてきた貯金を引き出すお金という意味になります。

誤解をおそれず申し上げると「公的年金」は事実上無限にもらえるお金であるのに対して「私的年金」は蓄えが尽きればいつかなくなってしまうお金と言えます。

これだけの意味が先ほどの23文字に織り込まれていたことになります。

やっぱりほれぼれするかきっぷりだと思います。

国からもらえるお金が「無限」であればそれはまず安心しておいたとして、まず気になるのは「私的年金」のことだと思います。「有限」であるならば、なるべく多くを蓄えたい!と誰しも希望するのだと思います。そしてできるならば、なるべく効率的に蓄えてさらに!首尾よく増えてくれるとなおうれしい!とご都合主義といわれようが自分勝手だといわれようが気持ちは変わらないと思います。

その気持ちを現実に近づける(ための?)法改正がこの5/1に施行された「確定拠出年金法の改正」だったということです。

実は「確定拠出年金」は「年金」というよりも「貯蓄」のようなものです。そしてこの貯めた自分のお金を運用できる仕組みがもともとありました。

運用とは手堅いところでは「定期預金に預ける」というもの。リスクをとってチャレンジするなら「株を安く買い高く売る!」という方法もあります。そこまでハイリスクハイリターンを負いたくはないが、定期以上に値上がりを期待したいという場合は、国債などを売買することもできます。そして定期か株か国債など、なにで運用するかを自分で決めることができる!というのが確定拠出年金の特徴のひとつだったのです。

でも株は値上がりもすれば値下がりもします。国債などの債権は利回りが変動します。つまり上手にやらないと損をしてしまうこともあるわけです。(うらをかえせば得をすることもあるということです。)

このリスクに一定の歯止めをかける(射幸心をおさえる?)ためにいままでは、個人個人におすすめする「運用商品については『3本以上、うち1本は元本確保型』」でなければ認められませんでした。そのように法令に定められていました。たとえば「“A銀行の定期”と“α社株”と“国債”のどれにしますか?」のようにお勧めしなければならなかったということです。元本を保証している「定期」がおすすめ商品のなかに入っているからセーフということです。

それが5月からの法改正で「リスク・リターンの異なる3本以上35本以下」の運用商品のおすすめにしてください!と変更になりました。つまり元本確保型の商品を入れなくてよい!ということに法改正されたということです。たとえば「“〇〇商事の株”と“α社株”と“国債”のどれにしますか?」は違法ではない!元本保証の「定期」が入っていなくてもOK!ということです。

もちろん法改正前と同様にやっぱり「定期」を選ぶこともできますし、いやいやチャレンジングに「新興国株式!」でハイリスクハイリターンで勝負!とすることもできまして、この部分は法改正前と変わりはありません。

どこがどのように変わってきているのか、確定拠出年金に加入するときに注意すべき点はなにか?について、これだけではまだよくわかりせんので、次回にもうすこし解説してみたいと思います。

2018年06月19日|ブログのカテゴリー:生産性と働き方とわたし…