就活生(新卒)の面接解禁日が6/1日(金)でした。
この日は先日お伝えした二つの最高裁判決があり、羽生結弦選手の国民栄誉賞授与決定があり、たしかにバリューのある記事が盛りだくさんだった日だと思いますが、それを差し引いたとしても今年の「面接解禁」の記事は扱いは小さい!と言わざるを得ません。(表題が6/1日経夕刊に掲載された記事の見出しです。)
昨年を振り返ってみましょう。
・就活本番 焦る企業 面接きょう解禁 伊藤忠 内々定2日早く 味の素 初任給12%上げ H29.6.1木 日経朝刊
・ルール形骸化懸念 経団連企業 非加盟の外資選考 H29.6.1木 日経朝刊
・学生獲得 急げ急げ 企業の面接解禁 初日に大量選考「内定」即囲い込み H29.6.1木 日経夕刊
このように日経新聞では朝刊と夕刊に渡り「面接解禁」に関する記事が掲載されていました。扱いも朝刊は見出しや図表を入れて10段の1/2から1/3にわたる記事。夕刊は見出しと写真とグラフを入れて6段の1/2にわたる記事ボリュームでした。朝刊と夕刊でマシマシ感はありありで、そこそこのボリュームだと思います。
今年はどうでしょうか?
表題の日経新聞の記事ですが、見出しと写真を入れてたったの4段分の1/3程度しかありません。
二つの最高裁判決や国民栄誉賞授与決定の記事は翌日の6/2に掲載となるわけですから、すくなくとも6/1は「面接解禁」を載せることもできるようにも思われ、やはり昨年に比較してとても扱いが少なくなったと言えます。
これは私の個人的な推測ですが、昨年の二番目の記事(ルール形骸化)がニュースバリューを下げてしまったのかもしれません。二番目の記事とは「ルール形骸化懸念 経団連企業 非加盟の外資選考」です。
すこし解説しますと、昨年6/1の日経新聞夕刊の記事の中には「内定や内々定を得た学生の割合は5月1日時点で35.1%に達した。」「すでに3人に1人が内々定」と記されています。
さらに、今年の6/1の同じく日経新聞夕刊の記事の中には「内定や内々定を得た学生の割合は5月1日時点で前年同月比7.6%ポイント増の42.7%だった。」としています。
6/1の「面接解禁」の時点で、水面下でちゃくちゃくと進行して、同時期の内定は7.6%(も!)増えて、内定はすでに半分近くになっているということになります。
“こんなん解禁ちゃうやん!”
つまりニュースバリューが薄れているということです…
建前とは別に捕捉できないウラ活動が主役になっている!と語っているように読めないことはありませんが、そんなことは学生や就活関係者の皆さんはだれでもご存知で「なにをいまさら!」とおしかりを受けそうなのことにすぎません。建前としての3/1説明会解禁やや6/1の面接解禁の節目節目に行われるはお作法通りのお約束を報道しても価値がない!ということです!
むろんこの節目をきっかけに折り目正しく内定を勝ち取る学生が半数いる!とも読めるわけで、捨てたものではありませんが…
わたしが学生だった三十数年前は、8/1が解禁日で暑いさなか「お約束」のためだけに、スーツを着て大阪淀屋橋をぶらぶらしたことを思い出しました。
いまはむかしの今昔物語で草… 三十年経ってもやっていることはそんなにかわっているわけではありません。
それはともかく、一週間後の6/8には早くも次の年度の学年の就活に関する記事が「でかでか?」掲載されます!写真やスケジュール表をいれて全6段扱いでした。
・20年卒就活 はや号砲 夏インターン重み増す 早期化・長期化に拍車 H30.6.8金 日経13面(企業1)
もはやニュースバリューは「説明会」や「面接」「内定」から、ひと学年下の3年生夏休みの「インターン」へシフトしていっているとみるべきですね。
そのうち高校生からインターンシップが始まるかもしれません。
むろん市町村によっては中学生の「就業体験」が一般的になっているところもありますがねぇ…
それとこれとはきっと大人の事情が違うのかもしれません。