外国人に関する記事の解説を書き始めたのが今年の4月ですので、ここしばらく外国人の話題を続けてきました。
外国人が日本で働くための5つのカテゴリーをそれぞれ解説し、その周辺にあたる在留資格の新設や留学生受け入れの記事も取り上げましたので、そろそろ終わりかな?と実は思っていましたが、またまた新たな記事が掲載されていました。
それだけ世間の関心の度合い(ニュースバリュー)が高いということでしょうか。
「厚生労働省が、国内で働く外国籍のシステムエンジニア(SE)やプログラマーの労働条件の実態調査に乗り出すことが13日までに分かった。」H30.5.14月 日経新聞
これは専門的・技術的な仕事ですから、カテゴリー4にあたります。
このカテゴリーは政府が積極的に外国人を受け入れ、できればより優秀な人材に来日してほしいと考えているカテゴリーです。
具体的な職種的には、経営コンサルタントや研究者などがその筆頭で、とてもハードルが高そうな職種でありますが、そのほかにも調理師、貴金属加工、ソムリエ、通訳、服飾デザイナーなどの職種がこのカテゴリーに相当します。
このカテゴリーで来日する場合、本人に専門性があるかどうかが大切なポイントになりますが、その専門性を判定する基準は実務経験年数であったり、大学卒業であったり、国際競技会での優秀な成績であったりします。
職種によってそれぞれ異なっています。
いずれにしても、そのような専門的な人材が何人日本で働いているかは、当然法務省が把握しているはずですが、どのような労働条件で働いているかは、厚生労働省の守備範囲ですが、その調査をあらためてやる!というのがこの記事のポイントです。
士業の守備範囲で例えると、入館手続きなどは行政書士先生のテリトリーですが、労働条件となると社労士の守備範囲となります。社労士であるわたしにとっては、仕事上たいへん重要な記事だということになります。
「IT関連は今後さらに人材不足が深刻化することが見込まれているが、少子化が進む国内での確保は難しさを増すことが予想される。外国人技術者への期待は高まっており、国内に呼び込むため、どれだけよい労働条件を示せるかが鍵となる。」同記事
個人的な経験ですが、勤め人だったころIT関連の専門学校で学生や講師と交流することがありました。ゲームやスマホアプリを制作する技術を修得するために生徒は学校に通ってきているわけですが、外国人の留学生もその中に見かけることができました。またその専門学校は、交換留学の形でシンガポールやフランスの専門学校との交流もありました。
つまりIT業界は実は何年も前からボーダーレス化がほかの業種に先駆けてすすんでいるというのが実情だということです。
「優秀なIT技術者を輩出しているインド、ベトナム、中国などを現地調査し、技術レベルや現地での労働条件、日本での就労意欲などを調べる。また外国人のIT技術者を積極的に受け入れている米国、カナダの賃金体系などの実情も調べ、国内におけるマッチング支援の在り方の参考とする。」同記事
社労士としても国内だけの賃金レベルや賃金体系だけにとらわれていると、IT企業とは話がかみ合わない、仕事にならない…ということになりかねません。
わたしも遅れをとらないように、頑張らねばですね!