昨年5月にこのカテゴリーの解説を、このみんなの新聞整理に書いた解説記事に書きましたが、そのときには、政府は少子高齢化にともなう働き手の不足(人手不足)を補うために積極的に外国人の受け入れを考えているようだ。そして地方公共団体も同じような考えをしていて、東京都は外国のフィンテック企業を誘致して、外国人起業家を都内に呼び込みたい考えを示しているということをご紹介しました。
対象とした記事は以下の通りです。
・都知事「在留資格緩和を」外資系金融誘致へ要請 H29.4.21金 日経
・都、フィンテック企業誘致 小池氏、金融都市構想を発表 法人2税下げ検討 公平性の確保課題 H29.6.10土 日経
それから10カ月ぐらい経った今年の2月には、再び政府が外国人就労拡大の意向を持っていることが記事になっていました。
「政府は一定の技能や経験のある外国人労働者の受け入れを拡大する方針だ。」H30.2.20火 日経(外国人就労拡大検討へ 政府、即戦力に照準)
「これまでは技能実習など就労を目的としない制度をいわば代用して外国人を受け入れてきたが、能力のある外国人に一段と門戸を広げる。」同記事
ここで増やそうとしているのは、先般解説したカテゴリー3の技能実習ではないとしています。政府が考えているのは具体的には、次のカテゴリー4の「専門的・技術的分野」の人材ということです。
このカテゴリーはすでに20万人の外国人が日本で働いていますので「どうぞ!おこしください!おまちしています!」と掛け声をかければ、都合よく増えるというわけにはいかないと思います。
なんらかの施策が必要ということです。
「政府は経営者や研究者ら高い知識や技術を持った外国人を高度人材として受け入れてきた。」H29.9.23土 日経(外国人の就労後押し 改正特区法施行 訪日客接客など)
これがすでに20万人いるということです。
「ただ年収や学歴、職歴など高度人材の認定を受ける条件は厳しく「専門技術があっても日本で働けない外国人は多い」との声が根強い。」同記事
この規制を緩和するというのがこのたびの施策のポイントです。
「具体的には教授や医師など18種の活動に認める「専門的・技術的分野」の在留資格の対象を広げる。」H30.2.20火 日経
さらに…
「職種拡大とあわせ、18種ある既存の在留資格は一段と取得しやすくする。実務経験など活動の専門性を評価する要件を緩め、受け入れ人数を増やす。」同記事
「政府は今回、一定のスキルがある外国人を「労働」目的で受け入れるとこに重点を置く。」同記事
「ただ受け入れ拡大は単純労働者ではなく、あくまで一定のスキルを持つ人」同記事
どうやらこのたびの規制緩和は「スキル」というところがポイントのようです。
「政府は在留期間に上限を設け、家族の帯同を認めず、永住権も付与しない方針だ。」同記事
家族と一緒に日本に来て仕事をしているうちに「このまま日本でくらしましょ!」という人が増えて「それ…移民とかわらないよね…」となることは避けたいという、移民は嫌だけど労働力だけは必要!という都合にどこまで外国人がメリットや魅力を感じるかはやってみないとわからないのかもしれません。