このカテゴリーについて今年の元旦の日経新聞に関連記事が掲載されていました。
・日系4世 就労可能に 法務省が在留制度 若者受け入れ
「法務省は一定の要件を満たす海外在住の日系4世の若者が、日本で就労できる新たな在留制度を導入する方針を固めた。」H30.1.1月 日経新聞
この記事をきちんと理解するためには、日系1世2世3世…の数え方を理解しておく必要があります。
だいたいこんな感じです。
一番下の4世から見ると「ひいおじいちゃん」が例えば日本からブラジルに移住した。
そして日本人の「ひいおじいちゃん」に一目ぼれしたブラジル人の「ひいおばあちゃん」と結婚した。
「ひいおじいちゃん」の国籍は依然として「日本」で「ひいおばあちゃん」の国籍はブラジルだ。
※「ひいおじいちゃん」が国籍を日本からブラジルに変更している場合は実はひとつ繰り下がるのですが、むずかしいのでその話はここではさておきたいと思います。またの機会で…ということにしておきますね。ほんっと!ややこしい!
ここがスタートになり「ひいおじいちゃん」が1世ということです。
図の中には国籍とか在住とかごちゃごちゃと追記していますが、まずはとにかくこのように世代を数えるのだということを理解してください!
そして外国人労働者のカテゴリー1[身分に基づく在留資格]が認められるのは「3世」までであるということ!これはとても大切なポイントになります。
この絵では1世の「ひいおじいちゃん」に似て黒髪の「ひまご」のぼくちゃんは、簡単には日本で働くことができないということを意味するからです。
なぜなら「4世」だからです!
ここはきちんとおさえておかなければならないところです!
※実はこの「ひまご」ちゃんが「未成年未婚」の場合は例外とするオプションがあるのですが、ここではひとまず置いておきたいと思います。ほんっとにむずかしいですね!
今年の元旦に掲載された記事は、いままで日本で働ける外国人労働者を3世までとしたルールを「4世」に広げる方針を政府が固めたという記事です。
子孫というのは後世に行くほど数が増えることが多いので、3世から4世に広げるというのは実は大きなかじ取りであるということです。
バビル2世の数よりも、ルパン三世の数の方が多い可能性があるということです。
ほかにも親戚がいるかもだったのか…ということで草…
もちろん3世までと同じ条件で自由に働けるというわけではなく、すこし厳しい条件をクリアーした人だけ認めるというものです。
「制度案によると対象年齢は18~30歳。簡単な日常会話を理解できる日本語能力試験N4レベルの語学力を条件に、就労が可能な「特定活動」の在留資格を与える。」同記事
「家族は帯同できず、日本国内に親族やホストファミリー、雇用主といったサポーターがいることが条件。」同記事
イメージとしては若者の留学みたいな感じによく似ています。
留学に家族といっしょに行く人は珍しいですからね。
で…留学は学校に通っていることが条件ですが、これの4世拡大政策では働くことそのものが学びであるという建付けのようです。
このようなフレームは目新しいものではなくて、いわゆる「ワーキングホリデー」と呼ばれているものと共通するところです。むろん「ワーキングホリデー」で働く人は、カテゴリー5の「特定活動」としてすでにフレームが確立されていますが、それとは「別に」4世枠を増やすという施策だ!というところがこの記事のニュースバリューです。
ところで…
そもそも日系外国人はどのように生まれたのか?については、すこし勉強しておいたほうがいいと思います。
日系ブラジル人100年の歴史
https://matome.naver.jp/odai/2140260105041900201
まとめ記事を参考にするのもいいかもしれません。