年が明けて、1月もはや半ば!春闘の季節がそこまできています…
わたしは、すこしあわててこの記事についての解説を書いています。
というのも…この「トヨタ 子ども手当て1100円」というのは、2017年つまり昨年のトヨタ春闘の結論だからです。2018年春闘の結論がでてしまうと、旬がすぎてしまうことになります…
汗
上書きされてしまう前に、みんなの新聞整理にエントリーしておきたいと思います。
子ども手当てというのは、多くの会社にある手当の一つなのですが、これまた多くの会社では、配偶者手当とともに支給されているケースが多いと思います。
わたしも勤め人時代、結婚して以来管理職になる前までは、配偶者手当の支給を受けていました。
この「手当」というのは、実は少しやっかいな性質を持っています。
美味しんぼの東西新聞社で例えると…
仕事のできるあこがれの上司ナンバーワンの谷村文化部長と上司にゴマをすって生きる富井文化部副部長は、どう見ても谷村部長の方がお給料はたくさんもらっていいと思うのですが、それは基本給の話であって配偶者手当の額は二人とも(たぶん)同じです…
え??? なんだかすこしもやもやしますね…
山岡史郎と栗田ゆう子は結婚するまでは独身ですので、配偶者手当は二人とも不支給です。
山岡史郎はともかく、栗田さんはもしかすると富井副部長より優秀かもしれないのに、結婚していないという仕事とは関係のない理由で不支給なのです!
ええ?? そんな理由で…
しかも!その後の結婚相手が山岡史郎ですので、結婚後も東西新聞社に勤務しており、おたがい正社員です(まさかの!ふたりとも契約?)ので、配偶者の収入が規定以上になっていると思われ(たぶん)、結婚後もふたりとも配偶者手当は、不支給でしょうね…
配偶者手当については、富井副部長だけが得をしているように思えますが、これで正解なのでしょうか?
この会社への貢献度に関係なく、個人的な理由に応じて一律に支給されるところが、手当の実にやっかいな性質なのです。
子ども手当自体が支給されることは、あまりめずらしいことではありませんが、トヨタの施策で、注目すべきは子ども手当ての増額原資を配偶者手当の廃止としているところです。
「トヨタは女性の社会進出や子育てを支援するため、配偶者手当を段階的に廃止し、子ども手当てを増額する見直しに昨年着手。今回の拡充で、第二子以降への手当て(13,500円)を第一子と同じ月二万円に増額する計画の実施を、21年の予定から今年四月へと前倒しする。」H29.3.13月 中日
平成29年度版の男女共同参画白書によれば、専業主婦世帯と共働き世帯の数は、平成9年に完全に逆転し、平成28年には専業主婦世帯664万に対して、共働き世帯は1,129万であり、約1.7倍の差に広がっています。もうすぐダブルスコアです!
どう考えても、再び逆転現象が起こるとは思えないトレンドになっています。
そして会社で働く従業員の悩みは、配偶者をどう養っていくかよりも、子育てや介護に悩みの中心がシフトしてきているのは明らかだと思います。
そもそも手当とは、谷村部長も富井副部長も山岡史郎も栗田ゆう子さんも荒川絹江さんも三谷典子さんも会社で働く上で、個人的に困っていることにどれぐらい東西新聞社が援助できるかという性質のものです。
なので…優秀な谷村部長と微妙な富井副部長にそれぞれ支給される手当の額が同じでなければならないのです! もちろん他の社員も同額です!
会社への貢献度がたとえいくら違っても!です。
手当とは会社の意思を表す手段ということです!
このトヨタの子ども手当て1100円は「全組合員で均等割りした場合の額」ですので、若手独身社員やシニア社員などには全く支給されないこともあると思いますが、それは手当の性質として正解なのです。
むしろ配偶者保護から子ども保護にシフトする!という会社の意思表示が、社会的な意義を持った重要なメッセージだということです。
トヨタは社会的影響力のあるとても大きな会社です。わたしには、とても時代に則したインパクトある施策に感じられ、たいへん興味深く記事を読みました。
今日の記事ネタまとめ
①トヨタ 子ども手当て1100円 春闘、ベア1300円で妥結へ H29.3.13月(中日新聞)