「日本生産性本部は19日、労働生産性の国際比較を発表した。」H30.12.20木 日経5面 経済
細かいことは抜きにして各国の順位は以下の通りです。
第1位 アメリカ
第2位 ドイツ
第3位 フランス
第4位 イタリア
第5位 カナダ
そして…ようやく第7位 日本 となっています。
「経済大国」という言葉を知っている若者はどのぐらいいるのかわかりませんが、私が社会人になった1987年頃は「ジャパン アズ ナンバーワン」というハーバード大学の先生が書いた本がまだ幅を利かせていました。
身近なところでもカメラは当然日本製を愛用していましたし、自動車やバイクは日本製が当たり前だと思って疑いもしていませんでした。パソコンはNECのPC98や88がたくさん使われていた時代でした。
それが今や外国製ばかりになっています。
わたしのスマホはapple製のiPhoneですし、いま原稿を書いているPCはマイクロソフトのSurfaceです。事務所で使っているディスプレイはLGですので韓国製、当然OSはアメリカ製ですし、よく使うソフトもOfficeやadobeなどこれらもアメリカ製です。
このようにまわりを見渡してみると、日本の労働生産性がアメリカの7割なのは「7割しかないのか!」というよりも「7割もあったのか…」とらえる方がよいのかもしれません。
昨年何度もご紹介しましたが「生産性」の計算方法は、この計算式でした。
この「公式」を前提に考えると、この労働生産性の国際比較はアメリカ人一人当たりと日本人一人当たりの生産性を比較しているように思いますが、記事をよく読むと国際比較の場合はすこし違うようです。
「2017年のデータから算出した日本の1時間当たりの労働生産性は … 先進国7か国(G7)のなかでは1970年以降、最下位の状況が続いている。」同記事
「日本の1時間当たり」というところに注目です。
国をあたかも法人のように見立てて、国ごとに1時間あたりの労働生産性を算出しています。
これは企業同士の労働生産性が比較される場面でも同じような算出がなされることがあるので注意が必要です。
「円相場が10年からの6年間で2割超円安に振れているため、ドル換算の生産性向上の重荷になっている」同記事
う~ん
わたしは経済学部出身なので、かつて「購買力平価説」というのを教わりました。
誤解をおそれずにざっくり申し上げると、物の価値や物価の変更などは為替で自動的に調整されるので、あまり気にしなくていいよ‼というものだったと思います。
その「説」どおりにいくと「ドル換算」の言い訳はあまり通用しないことになります。
となると…全世界に売れる日本製品やサービスを生み出すことが大切だと思います。
「日本生産性本部は「機械化や人工知能(AI)の活用などを日本の企業が進めていくことが生産性の向上につながる」と指摘している。」同記事
一見無理筋の意見のように思われますが、日本生産性本部が主張しているのは正面突破の正論のようです。
かつて「ジャパン アズ ナンバーワン」でアメリカの先生に評価されたポイントは、
日本人の「学習意欲の高さ」と「読書習慣(新聞含む)」でした。
いずれも人的資源の性質そのものでした。
平成が終わろうとする現在、昭和の終わりと同じような「学習意欲の高さ」や「読書習慣」があれば活用すべきだと思いますし、それらに代わる「人的資源の性質」や開発に今後の期待がかかっているように個人的には感じています。
30年前は「ジャパン アズ ナンバーワン」でしたが…
今はジャパンといえば「クールジャパン」です。
こんな感じでアップルやアドビやマイクロソフトを凌駕するためには、どのような「人的資源」を活用すればよいのかが今後の課題というところでしょうか?
頑張りましょう!