[188] 外国人受け入れ「賛成」54% 若年層ほど肯定的(日経新聞)

日本経済新聞社の世論調査で、人手不足の分野での外国人労働者の受け入れ拡大について賛成が54%と半数を上回った。外国人労働者の日本での永住に関しても賛成が54%にのぼり、反対の34%を上回った。18~29歳の6割超が賛成するなど年齢が低いほど賛成意見が多かった。」H30.10.29月 日経2面 総合・経済

このように記事には書かれていますが「外国人の受け入れ拡大」に賛成意見が多いのは若年層だけではありません。

60歳代も若年層と同じように65%程度のひとが賛成意見を示しています。

この記事だけでは理由はわかりませんが、60歳代というと団塊の世代を含みますので、この世代の人たちが何らかの理由で外国人受け入れに賛意をしめしていることは興味深い数字だと思います。

ところが「外国人の日本永住」となると60歳代は若年層とは逆の傾向を示しています。

記事に掲載されたグラフからは正確によみとることは難しいのですが「外国人の日本永住」に賛成の若年層(18~29歳)は約80%弱、60歳代は約50%余りとなっています。

つまり外国人には働いてほしいが、永住となると話は別だ!といっているようにもとれます。

ここにはなにか背景がありそうで、もうすこし深掘りをしてみたいところです。

またこの世論調査には「外国人受け入れ拡大」と「外国人の日本永住」の調査結果と並んで、「ポイント還元」が並んでいます。

「ポイント還元」とは「消費増税時にキャッシュレス決済ならポイントを還元する政策」のことです。

「外国人」と「ポイント還元」は一見関係のない事柄のように見えますが、すこしまえにご紹介したデジタルマネーと日本で働く外国人の関係を思い出すと、とても深い関係があるのが理解できると思います。

給与のデジタルマネー化は日本で働く外国人労働者向けの需要が強い。外国人が銀行口座を開くには日本に住所があり、一定期間、日本に住まなければならないなど簡単ではなかいからだ」H30.10.25木 日経3面総合2(きょうのことば)

つまり「外国人の受け入れを拡大」して日本で就業する外国人が増えていけば、銀行口座開設問題がネックになることは十分予想され、それを回避するには給与のデジタルマネー化がひとつの施策になりえる。デジタルマネー化を推進するためには、現金払いよりもデジタルマネー払いを優遇したインセンティブが必要だということになります。そのインセンティブが「ポイント還元」になるということです。

理屈はよくわかりますが、目論見通りになっているかどうかは予断を許しません。

キャッシュレス決済時のポイント還元 賛成だ=31% 反対だ=60% その他=9%」H30.10.29月 日経2面 総合・経済

これからの消費の担い手である若者の動向も大変気になるところです。

消費税増税時にキャッシュレス決済ならポイント還元をする政策は年齢が低いほど賛成が多かった。18~29歳は賛成が68%で反対は27%だった。」同記事

この「ポイント還元」については若年層の支持を得られているような調査結果になっていますが、この結果だけでキャッシュレス決済が若年層にたやすく受け入れられると断じることはできないかもしれません。

先般ご紹介したように若年層はクレジットカードなどのデジタル決済には慎重で、現金派が多いという意見もあるからです。

この辺りは注意深く情報を集める必要がありそうです。


2018年11月15日